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【テニプリ】Marking

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『じゃねぇの。タイブレークになってたら、越前、負けてたぜ』
乾と跡部の会話を右から左に…リョーマは呆然とその写真を見やる。浴びたシャワーが滲みる筈だ。引っ掻いたという可愛いレベルではない。掻き毟られている。まさか、こんなになっているとは思いもしなかった。
「…これが、週刊誌に載ってんの?」
『あぁ。手塚にも見ろって言っといたぜ。今頃、自分の所業に恥じ入ってんじゃねぇの?』
ケラケラ笑う跡部にリョーマは眉を吊り上げた。
「…跡部さん、これ、国光さんに見るように言ったワケ?」
『あぁ、言ったぜ』

「…さ、最悪…」

リョーマはぼやくとしおしおと頭を抱え込んだ。
『アーン、何が、最悪なんだよ?』
「国光さん、これ見て多分、勘違いしたんだ…」
『勘違い?』
「オレが他の奴と寝たんじゃないかって…っ、どうしよう!、って、言うか、どうしてくれんのさ?!」
八つ当たりも同然。ぷつんとキレたリョーマはやり場のない怒りの矛先を跡部に向けた。向けられた跡部はむっと眉を寄せた。
『誤解なんだろ。だったら、手塚にそう言えばいいじゃねぇか』
「そんなこと言えたら苦労しないっての!アンタの所為で、『もう電話してくるな。お前とはもう会わない』って、言われて電話切られるし、掛けても電源切られて、繋がらないし、アメリカだし、帰りたくても帰れないし、言い訳出来ないじゃん!本当、どうしてくれんのさ!!」
逆切れしたリョーマの剣幕に圧されつつ、理不尽過ぎる八つ当たりに跡部はギシリと奥歯を噛み締めた。
(どうするもこうするも、俺様の所為じゃねぇだろーが。アーン?そもそも勘違いする手塚が悪いんじゃねぇのか?…大体な、、大事な試合を控えた夜にいちゃこいて、思い切り、情事の痕跡残してんじゃねぇっての!それをうっかり写真撮られる方がお前が悪いんだろうが!このドアホがッ!!)
跡部は辛うじて喉元近くまで上がって来た罵詈雑言を飲み込んだ。ここで言葉を返せば、手塚のことで血が上ってるリョーマの事だマジ切れしかねない。大人な跡部は小さく溜息を吐いた。
『…解ったよ。仕方がねぇ。手塚んとこ行って、誤解は俺様が解いといてやるよ』
「ホント?」
途端、人が変わったように明るくなったリョーマに跡部は心の奥底から溜息を吐いた。
『…おう』
「ちゃんと、説明しといてよ」
『解った解った』
作品名:【テニプリ】Marking 作家名:冬故