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みとなんこ@紺
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トラリトゥルリ

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「…とりあえず、港の方へ行こうか?」
「・・・そうだな、向こうも探してるかもしれないし」
さて、と気を取り直して場所を移そうと振り返った所で、トウヤがピタ、と足を止めた。
「?トウヤ?」
「・・・早く場所移動しておいた方が良かったね…」
疲れたような顔でトウヤはやれやれ、と溜め息をついた。
何だ、と顔を上げてソルも同じような表情になる。

「兄ちゃん達、痛い目にあいたくなけりゃそいつは置いていきな」
「そうそう、ちったぁ使えるようだが、火遊びは危ねぇぜ。鳥かご置いて黙ってどっかに行ってくれりゃ手はださねぇ」
下卑た笑いを浮かべた、数人のごろつきたちが路地の両方から少しずつ輪を狭めてくる。
どうやらお仲間のようだ。
中には刃渡りの厚いナイフなどをこれ見よがしに閃かせてみたりする奴もいる。
口では何とでも言っているが、ただで帰す気はないらしい。まぁ、当然の事だろう。
2人は同じ事を思ったのか、お互い同時に顔を見合わせて、トウヤは僅かな苦笑を刻み、ソルは大げさに溜め息を付いた。


これに一瞬毒気を抜かれたのは、ギャラリー兼悪役、の方だ。端から見れば少年たちに絡むヤクザ者たち、なのだが。彼らにはそんな事態に陥っている緊張感も悲壮感もない。
たかが餓鬼2人、と余裕でいた筈のごろつきどもの方が、あまりの勝手の違いっぷりにお互い顔を見合わせる羽目になった。
「・・・おい、てめぇら状況わかってんのか?」
普通の街の者ならたいていすくみ上がるはずの低い威嚇にもこたえた様子はない。
うつむき加減に、小さな声で何かを話している。
明らかに相手にしていないその態度に俄然いきりだす。やっちまえ、と激を飛ばす直前、
「…仕方ないね。それじゃ、早く港へ行かないと」
それまで小さく相槌を打っていた黒髪の少年が、すい、と上げた視線に、逆にギクリと身が竦んだ。
ここいらではあまり見かけない黒一色の色彩。
育ちの良さそうな凡々とした風采を裏切る、その黒の瞳。
・・・何だ・・・?
何となく嫌な予感が過ぎる。何となく、ヤバい気がする。…これは、アレだ。
いつか見た、黒髪の召喚師のガキと同じような・・・。
待て、と仲間に告げるより先に、一歩下がった茶色の小さい方の小馬鹿にしたような呟きが最後の引き金を引いた。
「お手柔らかに、な」


作品名:トラリトゥルリ 作家名:みとなんこ@紺