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みとなんこ@紺
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HYBRID RAINBOW

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「とりあえず、明日を無事乗り切れば後はお楽しみ、だ。頑張れよ、…相棒?」
後半は思わず疑問形になってしまった。
今から戻って机に向かわねばならないはずの遊戯はあらぬ所に視線を向けている。
「…ボク、前からずっと不思議に思ってたんだよね」
ぽそり、と遊戯は呟いた。嫌な予感。
「ボクらの心の部屋じゃなくて、ほら、このボクらの部屋の間にある心の回廊、この先どうなってるんだろう」
ヤバい。
「いつも降りてきたり交替するときってさ、気が付いたらお互いの部屋の前にいるよね?」
「・・・・・・そうだな」
ヤバいって。返事をしたらこのまま話が進んでしまうだろう。
「そういえば今日ね、ちゃんと見てようと思ってずっと目を開けてたつもりだったのに、瞬きしたらもうここに来ちゃってたんだ」
…かといって自分に遊戯の言葉を流せるわけもなし。どうしよう、最後まで付き合うか。
「でもほら、この先って暗闇に隠れてて、どこまであるのかは判らないよね。…どうなっているんだろう。もう一人のボクは知ってる?」
半身の静かな葛藤をよそに、遊戯はさっさと進める所まで到達してしまった。くるり、と振り返った素直な興味に紫の瞳を輝かせる相棒に勝てるわけがない。
取り合えず少し付き合って好奇心を早々に満たしてしまえば早いか、と自分に言い訳しておいて葛藤をさっさと飛ばしてしまったもう一人の遊戯は、回廊の奥にちらりと目をやった。
「あまり気にした事はなかったが・・・そういえば前に一度だけ奥に行ってみたことはあったような気がする」
「え、行ったんだ?どうだったの?」
もう一人の遊戯は考え込んでいたようだが、やがて緩く頭を振った。
「…確かその時は途中までだ。相棒に呼ばれて…戻って『外』に出たと思う」
「そうなんだ…」
「…それよりそろそろ時間を気にした方が良いんじゃないか、相棒?」
うーん、とこちらには生返事を返しておいて、回廊の奥を見つめている視線にちょっとばかりの決意が見え隠れする。嫌な予感。
「・・・相棒」
「だって気になるじゃない。絶対夜とかに思い出しちゃったら眠れないよ。でもキミが寝ちゃってたら1人で行かなくちゃいけなくなるし、今がチャンスだよね!」
…やめておく、という選択肢は無いのか、相棒。
だがそのツッコミを口にするより早く、ね、と満面の笑顔を付けて遊戯は手を差し出す。そして拒否権なぞ選択肢にあろう筈もなく。もう一人の遊戯は諦めたような吐息と共に、そっと手を重ねた。


作品名:HYBRID RAINBOW 作家名:みとなんこ@紺