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THIS LOVE @6/27新刊サンプル

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「君たちも入ってもらっていいかな」
「え? 私ら?」
「そう。そこの三人。ひとりずつ撮るよりも、まとめて撮ったほうが早いだろう? このフィルムは有限なんだ」
 渋る渡草と遊馬崎の腕をとり、楽しそうに門田の両隣へと引きずり出して、狩沢は彼らの前に立つ。
「ほら、みんな、ピース!」
 渡草は、わけがわからないといった表情を隠さない。
「一体これはなんの記念撮影なんだ?」
「さあ? でも、みんなで写真撮るなんて、あんまりないんだし良いじゃん」
「べつにカメラ目線じゃなくても良いから。……もういいかな。撮るよ」
 右手にもったカメラを顔の前へと持ってくる。小さなのぞき窓越しにみえる、いつもの四人組と、そのうしろのワゴン車。中央の門田は無表情でまっすぐにカメラのレンズをみつめ、その両脇の渡草と遊馬崎は、ふたりとも居心地悪そうに、あらぬ方向に顔を向けている。門田の手前でにっこりと笑って、顔の横にピースサインを掲げる狩沢。「はい、チーズ!」と叫んだ彼女の声にあわせて、臨也はシャッターボタンを押した。少しの手ごたえの直後、かしゃり、と軽い音が響いて、彼らの姿をフィルムに焼きつける。そうしてから、彼はフラッシュをたき忘れていたことを思い出す。