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朱璃・翆

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intercourse & weep



「翆さあん・・・?いるぅ?」

朱璃は僕の部屋に入ってきた。

あの木陰でのキスの後、慌てて自分に用意されている部屋に逃げ帰っていた。
あまりの恥ずかしさにベッドにもぐりこんでいた。

「何してんだ?いったい?素もぐりの練習か?」

朱璃はベッドに近づいてそう言い、ベッドの掛け布団をめくった。
僕は中で赤い顔をして丸まっていた。

「うるさい・・・。ひ、人がいるならいるって言え、バカ。」
「えー、でもあの場の雰囲気崩したくなかったしィ?なんで?いーじゃねえ?これで正真正銘あなたが俺のものだって知れ渡る。」
「お前には恥ずかしいって感情はないのか?」

僕はまだ赤い顔であろうまま起き上がってそのままマットレスの上に座って言った。

「なんだよ、俺だって人だぞ?それくらいの感情、多分あるぞ?」
「・・・多分・・・?」
「それよりさあ?」

朱璃はニヤッと笑って、ベッドの上に上がって僕ににじり寄って行った。
僕は思わず仰け反った。

「な、何だ。」
「俺、対価払うって言ったよな?欲しいもの、手に入れていいんだろ・・・?」
「な・・・」

僕は真っ赤になりつつ逃げようとした。
朱璃はその腕を片手でつかんで後手に回した。もう片手で僕を抱き寄せてきた。

「なぜ逃げる?死なないだけじゃ、ダメなのか・・・?俺はあなたが欲しいと言ったんだ。あなたの心も、体も。どっちか、じゃなく、両方。」
「っだって・・・まだ、心の準備とか・・・。は、離せ・・・。」
「あのね、俺さあ、これでも十分なくらい待ってだんだけど?あなたが俺に馴染んでくれるまでって、ね?この俺が。そのあなたが自分を欲しいなら対価を払えとまで言ってくれたじゃない?悪いけど、もう、待てないね。」

そう言うと朱璃は口付けてきた。
僕はおもわずビクッとしたが、暫くしたら朱璃を受け入れはじめた。

朱璃は深く口づけながら僕の服を脱がせにかかる。ちょ、ちょっとっ・・・。

「っん、んん・・んー」
「・・・何・・・?」
「ま、待って・・・」
「だから、待てないって」

そう言って服を脱がせる作業を続けようとする朱璃に言った。

「や、だって、その、僕汗、かいてるし・・・は、恥ずかしいから・・・」

すると朱璃は満面の笑みで僕を見て言った。

「構わない。むしろ歓迎だね?あなたの汗なら、ね?どうせ今から汗、かくんだし、大丈夫だよ?恥ずかしがるのは俺としてはアリ、だな、どんどん恥ずかしがって良いよ?俺も燃えるしね?初めてだろ?大丈夫、大丈夫だよ・・・」

朱璃がそう言うのを聞いていくうちに僕はさらに真っ赤になっていったと思う。

朱璃は微笑んでからまた口づけ、服を脱がせた。

いつの間にか生まれたままの姿になっている自分が恥ずかしくて顔を背けようとする。
同じく全裸の朱璃はそんな翆の唇、瞼、鼻、頬、耳、喉とやさしく啄むようにキスをしてきた。
優しく口づけされ、僕も少し緊張が取れる。

「・・・大丈夫だよ・・・?俺に、体、委ねて・・・。」

そう言うと朱璃は一度ぎゅっと僕を抱きしめる。
僕はホッとしたように抱き返す。

・・・暖かい。

僕はそう思った。
人の体の温もりって、こんなに暖かかったんだな・・・。

僕は知らなかったが、朱璃もそう思っていたようである。

人の体の温もりって、こんなに暖かかったっけと・・・。


2人は抱きあう。

ときおり僕はせつなそうな声を漏らしてしまう。
恥ずかしいのも最初のうちで、どんどん訳も分からず夢中になっていく。
そのままどんどん2人で高みまでのぼりつめていく。

だが、つながろうとした時、そして、つながった時、おもわず出た僕の息をのむ声が聞こえたようで、朱璃が止まる。

僕は微笑んでそんな朱璃の頬にそっと触れる。大丈夫。僕は、大丈夫だから・・・

どんなに痛くとも、切なく、愛しい。
つながることが、とてつもなく、嬉しい。
そうして薄れゆく意識の中で、僕は多分めったに見せない最高の微笑みで朱璃の名前を呼んでいたらしい。



ふと夜中に目が覚めた。動こうとして、下半身に激痛が走る。

「っつ!?」

その声で横にいたらしい朱璃が、うん・・・と呟いた後、むくっと起き出した。

「・・・あ、すまない・・・起こすつもりじゃ・・・」

僕はとっさに謝った後、なぜ朱璃が自分のベッドにいるのか、なぜ激痛がしたのかを思い出した。カアッと顔が熱くなる。

「う・・・わ・・・」

僕は動けないまま手で顔を覆った。
朱璃がこちらを見る。
そして僕をとろかすような笑顔を向けた。
僕はますます自分が赤くなったのが分かる。

「やあ、目、覚めたんだ?・・・大丈夫・・・?」
「う・・・ん・・・。その、ちょっと・・・動けなくて・・・。」

朱璃が翆にキスしてきた。

「初めてだからさ、余計だよ・・・?ごめん、俺が傷つけたね・・・?」
「ば、バカ、謝るな・・・。僕は・・・その・・・う、嬉しかった、から・・・。」

もう、朱璃の顔が見られない。
朱璃はそんな僕に覆いかぶさるように抱きしめてきてくれた。
こんなに、華奢なのに、あの時とても、力強く思えていた。

思い出すとまた顔が熱くなった。最近僕は赤くなってばかりだ。
いずれ顔の血管が切れてしまうのではないだろうか・・・?

「おなか、空いてない?喉は?」
「・・・どうしたんだ・・・周りに誰もいないっていうのに、まるで皮を被っているみたいに優しくして?」
「そりゃあね?俺に極上のご馳走をしてくれたんだ、これくらい当然だろ?」

極上の・・・ご馳走・・・?・・・・・・!!

「なっ、何言ってんだ!?バカっ。」
「くくく・・・ホントの事なのにい?」

ニヤッといつもの笑みを見せると、朱璃はベッドから出て行った。

ふと何やら寂しくなる。
だが見えなくなったと思ったらすぐに近くに戻ってきた。
手にはコップとお皿を持っている。

「悪い、残りもんだけどさ、昼間のレモンタルトと、お茶。」

そう言ってベッドまで持ってきてくれた。

「動ける?」
「うーん・・・。いや、ちょっと、まだ、無理・・・。」
「そう。」

朱璃はお茶を口に含むと僕に近づいてきた。
何をするんだと思ったらそのまま僕に口づけお茶を口に流してきた。
お茶は乾いた僕の喉を心地よく通っていった。

僕は何度目か分からないがまた赤くなったのが分かった。

「そら、あーん。」

そう言って次は食べやすい大きさにフォークで切ったタルトを僕の口まで運んでくれた。
おとなしく食べる。
食べてみてようやくお腹も空いていたことが分かった。
朱璃はそうやって、僕がいいと言うのも構わず全部飲ませ、食べさせてくれた。

「なんか気持ち悪いな・・・。お前にそんな風に優しくされるのは・・・」
「へえ?あなたはマゾだったのかな?だったら次は少しハードにいこうか?」

ニヤッとして朱璃が言った。
作品名:朱璃・翆 作家名:かなみ