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朱璃・翆

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existence



ナナミがいなくなった。

「・・・朱璃・・・。」

城の皆は誰もが暗い顔をしている。
また、俺に何を言えば良いのか分からないといった様子だ。

マチルダを攻めロックアックス城を落とす為乗り込んだ。
追手が沢山やって来て、翆や他の皆がそれを阻んでくれている間に俺とナナミが軍旗のところまで向かい、それを焼き払うだけだった。

「・・・朱璃、ナナミ。」

ジョウイが現れ先へ進もうとする俺達を阻んだ。
俺と同様、こいつも多くの奴らに信じられ戦っている。

もう、決着をつけるしかないのか・・・?

その時だった。俺達の背後からあの忌まわしいゴルドーと弓を構えた兵が現れた。
俺らを一網打尽にするつもりでゴルドーは弓を放つよう命令した。俺が動くと同時にナナミも動く。

「ナナミ!!!」

あのナナミが・・・いつも笑って怒って・・・そしていつだって庇ってくれていたナナミが・・・俺とジョウイを庇って矢に貫かれ倒れていく。
何だ?嘘だろう・・・?
何なんだ、これは?
絶対夢だ。
だってナナミはまるでスローモーションのように倒れて・・・

「っナナミー!!!」

俺とジョウイはナナミに駆け寄った。俺はナナミを抱きしめる。

「し・・・失敗・・失敗・・・・・。でも・・・だ、だいじょ・・・うぶ・・・」

ナナミは最後まで俺達に仲良くしてくれと願った。
そして、最後に”お姉ちゃん”と呼んで欲しい、と・・・。

「最後なんて言うなっ。バカ野郎、ナナミのバカ野郎っ。俺なんか庇ってっ、俺っ、俺ゆるさないからな?そんなのゆるさないからなっ?」
「アハ・・・朱、璃・・・。ああ、ホントの朱璃、だね・・・?う、嬉しいよ・・・あたし。朱璃が、あたしに、ホントの朱璃で接して、く・・・れ、て・・・。」
「そんなのっこれからいくらだって出してやるっ。なあっ。俺っ、いくらだって・・・お姉ちゃんに生身の俺をっ」
「う、れ・・・しい・・・よ・・・。あた、し・・・朱璃の、お姉ちゃんで・・・良かった・・・。ジョウイと・・・友達、で・・・良かっ・・・た・・・」

そうしてナナミは目を瞑り動かなくなった。

「ゴルドー貴様っ」

ジョウイが怒り、ゴルドーに立ち向かう。

俺は1回ブルッと震えが体を走ったのをぼんやり感じ取った。

なぜ・・・?
なぜ俺の元からは大好きな人がいなくなる?
ナミ・・・じいちゃん・・・ジョウイ、皆離れていく・・・ああ、ナナミ・・・ナナミ・・・

「・・・ゴルドー?お前、ゆっくり、死にな、ね?」

俺は呟いて次の間にはゴルドーの背後に回った。
周りの雑魚はすでにジョウイが倒していた。

じゃあ、これで、思う存分、甚振れるって事だね?
覚悟すらさせてやらない。
気絶も出来ないくらいの痛みを与えたのち、殺して、やる。

「こっこいつをっ、こいつをどこかへっ」

ゴルドーが恐怖に苛まれて何とジョウイに懇願している。
俺の顔はそんなに恐ろしいのかい?
今からもっと恐怖と苦痛を与えてやるよ?

俺はまずゴルドーの両腕を捻り上げ、そのままナイフで筋を切ってやった。
さあ、これで手は使えないね?
だめだめ、叫んだって無駄だ。
ジョウイは俺のこの様子に唖然とし青ざめているようだけど、でもお前なんかを助ける気なんてない筈だよ?
次は足だね。
足も動けないように筋からいこうか。
おっと、変に動くから関係ないとこざっくりやっちゃったじゃないか?
失血死なんて楽な死に方、させないよ?痛みを残したまま大量の出血だけは抑えるよう、おくすりを応用して使ってやろうね?

さあ、次はどこがいいかな・・・

俺がゴルドーをミンチ肉のようにしている間にシュウがやってきた。
ナナミに気付き、急ぎでホウアンの所へ運ばせた。
そして俺を黙って見た後兵を呼び、軍旗を焼き払うよう指示していた。ジョウイはシュウの気配に気付いた時にはいなくなっていた。

「・・・朱璃殿・・・。もうその辺にしておかれなさい・・・。もう、ゴルドーはすでに恐怖も痛みも感じなくなっているみたいです・・・。もう、いくらしても無駄でしょう・・・逆にあなたにそこまで丁寧に切り刻まれるなんて、奴には勿体無い。まだ誰か判別出来る状態のままそこに放置しておかれなさい・・・。」

俺は我に帰り、シュウの言う事ももっともだと思い、残骸を放置した。

追手の対処をしていた翆達も駆けて来た。
翆が、血まみれの俺を抱きしめ・・・ルックに何か頼んでいた。

俺はその後の事は覚えていない。

最近たまに起こる気絶。
多分不完全な紋章を宿しているからだろう。

いずれは・・・その前にどうにかしないといけないとよく考えていた。
翆と約束したから・・・対価を払うと、言ったから・・・。

でも今回のはそれだけではなく心労からだろうなと目覚めた時ぼんやり考えた。
作品名:朱璃・翆 作家名:かなみ