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朱璃・翆

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afterward(doragon king vr.)



「何でそんなニヤニヤしてんだよ?」
「だって、お前の見たことない一面を見れたからかな?」
「う・・・」

夕食を皆でとったあと(ルックはブツブツ文句を言っていた。どうも食事の準備はルックがしたようだ)、朱璃、翆、ナミは3人で酒を飲んでいた。
レックナートとルックも誘ったが、レックナートは酒を飲まないから、と行ってしまい、ルックに至っては、ナミ、朱璃と飲むのは精神上良くないからと言い残し消えてしまった。

3人で飲んでいるとき、朱璃が翆を見ると珍しくニヤニヤしているのでそう聞いたのだが、聞くんじゃなかったと今後悔していた。

「ふふ・・・朱璃とこうして酒を飲めるようになるとはね・・・?」
「でもさあ、昔ナミって酒飲んでたっけ?記憶にないんだけど?」
「ああ、やっぱり小さい子がいるのにその横で見た目未成年の俺が酒を飲んでるってのは絵としてどうかと思ってねえ。」
「絵?教育上って言えよ・・・。」
「ていうか朱璃は今もまだ未成年だったと思うんだが・・・?」
「やっだあ翆さあん、硬い事言わないで下さいよお?」
「そうだよ?一国の王なんだし、もう大人も同然だよねえ?」
「・・・・・。」

ある意味似たもの同士・・・なんとなく翆はそう思った。

「でさあ、ナミ、またどっかいくのか?」
「ああ、そうだねえ。もう放蕩旅がくせになってるからね。」
「・・・そうか。チェッ。俺も旅に出たいなー。」
「またいつか出ればいいじゃない。」
「うん・・・。じゃあそん時はナミと一緒に行ってもいいか?」
「いいけど、翆さんは?」
「え?勿論俺は一緒のつもりだったんだけど・・・?・・・あれ?だめ?」

朱璃が首を傾げて翆に言った。

「い、いや。その、別に構わない・・・。」

翆は赤くなりながら俯いた。

「わーお、翆ったらかーわいーい。あーもうー。」

そう言いながら朱璃は翆に抱きついた。
翆は慌てて引き剥がそうとする。

「ちょ、お前っ、育ての親の前でよくもまあ、そんな事・・・」
「えー何でー?こんなじゃ3人で旅出れないじゃね?今のうちに慣れてよー?でないと俺欲求不満の固まりになる。」
「なっなんて事・・・」
「ふふ・・・いーなあ。俺も仲間に入れてよ?」
「なっ」
「えーだめだよ、翆は俺んだからね?例えナミでもだめっ。」

3人旅・・・厳しいかも・・・翆は少し思った。

「明日俺はもう出るよ。今度はちゃんと朱璃、君の城に遊びに行くよ。」

「ホント?約束だな?ようし、じゃあ俺、ナミが来るまでに落ち着けるように頑張るよ。いい国になるよう、ナミも祈っててよ?俺さあ、何やかんやで幸せだったと思えるからさあ?きっとナミが祈ってくれていたからだよな?だからこれからも一緒じゃない時は祈ってて欲しいな。」
「朱璃・・・君って子は・・・あーもう、かわいいっ」

今度はナミが朱璃を抱きしめ頭をわしわしとかき回した。

「ちょ、あなたほんとそんなとこ変わんないなっ。あーもう、俺の髪くちゃくちゃにすんなーっ。」

翆はそんな様子をほほえましく見ていた。

ようやく離してもらった朱璃は翆を見て言った。

「俺も明日には出るけど・・・その、翆も・・・一緒に帰ってくれるんだろ・・・?」
「ああ、勿論だ。」

そう言うと朱璃は愛らしい笑顔で笑いかけた。
翆はこのますます磨きのかかった朱璃の笑顔に内心ドキドキしていた。
朱璃の本当の笑顔・・・これからは頻繁に見られるかもしれない。

とても嬉しい事だが、ほかの奴らも見ることになるのだろうか・・・翆がそう思った時この間のファルーシュの事を思い出した。・・・紹介したくない・・・けれど真面目な翆は約束を破る事は出来なかった。

「あ、朱璃・・・。この間家に戻った時に大統領のパーティに行く羽目になったんだが・・・」
「ああ、そういえば俺んとこにもきてたな。忙しくって行けなかったんだけど・・・なんだ翆も行ったなら俺も何が何でも行けばよかった。」
「ふふ・・・俺は行ってたんだよー?翆さんの正装、似合ってたなー。」
「何だってー?ずるいよナミっ。ってそん時にもう2人は会ってだんだ?」
「え?ああ、だがその時はナミさんとは知らなかったんだがな。正体を偽っていたから。」
「うん。たまにね、カイって名前で群島で働かされる時があるんだよね?」

ナミはニッコリして言った。
へえとその話を聞いている朱璃を見ていたが、翆は自分の言おうとしていた事をまだ言ってないことに気付いて、ひと段落ついたところで続けた。

「失礼、そのパーティの時のことなんだが・・・。ファレナ女王国の人も来ていたんだ、女王騎士長と女王騎士が。」
「へえっ。俺会ったことないよ。何かさあ、そこの国の人って美形が多いんだろ?ちょっと見てみたいよね。」
「・・・。あ、ああ。確かに美形だった。その女王騎士長、ようするに今の女王の兄だが、彼が君を紹介して欲しいと言ってきた。」
「へえ。何で?」
「え?何でって、どうやらお前、ファレナでも話題の人みたいだぞ。だから彼もお前に会ってみたいんだと。」
「ふふ。朱璃、やるねえ。なんか俺も鼻が高いよ。」
「もう、からかうなよなナミ。つーか何で話題になってんだ?そんな目のひく戦争だったか・・・?」
「・・・いや、お前だろ。」
「へ?」

翆はちらっと朱璃を見たあとプイと顔を逸らした。
何の事だとポカンとしていた朱璃が次第にニヤケ顔になった。

「ああ、俺のこの可愛さがかな?で?あなたはどうしたのさ?何?もしかしてヤキモチかなあ?」
「なっ。バカ言うなっ。何嬉しそうにしてんだっ?」
「ヤキモチ歓迎?。」

真っ赤になっている翆、嬉しそうな朱璃、そしてそれらを楽しそうに見ているナミ・・・。


そうして夜は更けていった。
作品名:朱璃・翆 作家名:かなみ