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加賀屋 藍(※撤退予定)
加賀屋 藍(※撤退予定)
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痛みも傷も全て

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「以上です」
「他にイタリアから連絡は?」
「いえ、特にはありません」
「……そう」
イタリアで大きな抗争があったという話を、雲雀は日本で草壁から受けた。

事の顛末はこうだ。
とあるファミリーと摩擦が起き、緊張状態にあった中で、ドン・ボンゴレが狙撃された。
そして自らのボスをその体で庇った男がいた。
彼のおかげで、ドン・ボンゴレは傷一つ負わずに済んだ。……重要な血管を傷つけられてしまった男は助からなかったが。
男はボンゴレから讃えられ、ボンゴレはドン自ら狙撃を行った敵対組織にその牙を以て報復した。
その組織は壊滅、残党もしらみ潰しに狩られたという。
そんな話だ。

全て聞き終えた雲雀は、「哲」と短く名を呼んだ。
それだけで彼の補佐として長く付き従う男は、何も聞かず「わかりました」と頭を下げた。
……何も言わずそうするべきだと、長年の経験が告げていた。


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


バァァンッ!
早朝、寝室の木製のドアがこれ以上ないくらいの音を立てて開かれた。
音だけなら、ドアが爆発したのかと思ったくらいだ。
「ヒ、ヒバリさんっ!?」
ベッドから下りて、寝惚け眼でえっちらおっちら着替え終えたところだった綱吉は、つかつかと入ってきた人物に限界まで目を見開いた。
予定にない突然の来訪と、その気迫に。

ボンゴレ内の奇人・超人仕様に作った、特別頑丈な蝶番が外れ掛けているのは、もう諦めるしかないのだろうか。
―――怒れる雲雀恭弥の前には何もが無力だと。