【完全読み切り】責
俺が捕まったのがわかった瞬間にどうやらメンバーが二人来た。といっても、シロガネ山常駐メンバーはレッド先輩以外は三人だから、ユウキとコウキくらいしかいないだろう。
「てめえらまでいたのかよ」
この眼光。レッド先輩とはまた違うこの目の力に、コウキがたじろぐ中(こいつがたじろぐことはよほどのことがないとあり得ない)、ユウキは落ち着き払って答えた。
「どういう目的かは存じませんが、一応部外者ですので、僕ら全員を同時に相手してもらいますよ」
「なんだと…」
「だって侵入者扱いするのは当然じゃないですか。ここに入っちゃいけないんですから。ヒビキくん、コウキくん、準備できた?」
するとコウキが、
「…はは、はははははははは」
狂いだしたかのように突然笑い出したと思うと、
「さすがユウキ先輩。こういうときほど落ち着き払ってますからね…」
これは俺もポケモンを準備しなくては。
「いけっ、ストーム!」
「お願いします、ジュドさん!」
「時間はかけるなよ、アース!」
バクフーン、ラグラージ、ドダイトス。この三体を同時に相手させる。しかも、後ろで次々に別のポケモンの準備。
正直、これで勝てないほうがおかしいのだ。
そして、当然だが、それを打ち破るのがレッド先輩のライバルでもある。
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イエローに続いてグリーンまで来た。非常にめんどくさい状況になってしまった。
グリーンがボロボロな様子を見るとどうやらヒビキたちはあいつと戦ったんだな、ということが見て取れる。俺のもとに二人求めてくると厄介事になるとわかってくれたようだ。だが、グリーンは簡単には倒せないわけだ。というより、簡単に倒されてしまうと正直ライバルとしては、残念である。
もっとも、俺はこのグリーンのライバルとしてはふさわしくないが。
「どういうことなのか答えやがれ」
グリーンが性になく切れている。お前はそんなキャラじゃないだろうが。よっぽど俺に切れているのだろう。
「…」
「…なんか言葉を言ったらどうだ!」
さっきイエローに言われたような事いうなよ。
「レッド…もうやめようよこんなこと」
イエローが泣きそうになってくる。お前もそんなキャラじゃないだろうに。
二人とも俺に憤怒を感じるのか?それとも失望か?
正直、俺は二人の期待には添えないさ。