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【テニプリ】温泉に行こう!

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(そういや、コイツの趣味は見掛けに反して、アウトドアだったな)
休日になるとキャンプやら、近郊の山に登ってみたりとなかなか忙しいらしい。休日には最近は家から一歩も出ずにぐうたらすることが多いインドアな自分とは大違いだ。
「ふーん」
跡部は頷いて、シートを倒し背凭れに体を預け、弛緩する。それを手塚がだらし無いと目で叱ってくるが無視する。手塚は諦めたのか小さく息を吐いた。
「…で、その風呂はどこにあるんだよ?」
「郊外だ。車で一時間くらいのところだな」
「ちょっと遠いな。わざわざそんな遠くまで、風呂入りに行ってんのか?」
「リョーマの趣味だからな」
「…越前のねぇ」
跡部は肩を竦める。手塚御自慢の恋人は世界を股に掛けるテニスプレイヤーだ。その御自慢の恋人の趣味は以前は全国名湯の入浴剤入りのお風呂に入るだったのだが、今は自分で稼げるようになったこともあってか、全国名湯巡りが趣味となり、休暇で帰国する度に手塚とあちらこちらに出掛けているらしい。
「一応、都内で近場だからな。なかなかいい風呂だぞ。長屋風の造りになっていて、八つに部屋が区切られてるんだが、それぞれに内風呂と露天風呂があってな」
「風呂が二つもあんのか?」
「あぁ。露天風呂はそれぞれ趣向を凝らしていて、面白いぞ」
「どんな?」
「山の湯とか、里の湯とか」
「へぇ」
最初は正直、面倒臭い、かったるいと思っていたのだが俄に興味が湧いてきた。考えてみれば、温泉に行くのも初めてだ。
「面白そうだな」
「そうか?」
手塚が僅かに眉を上げる。それを跡部は見やる。
「お前とは付き合い長いが、裸の付き合いっていうのをしたことなかったな」
「…そうか?一度くらいはあったように思うが…」
手塚とは本当に付き合いが長い。互いの母親が産院が一緒でそこで知り合って意気投合したらく、産まれる前から母親同士で交流があったようだ。幼い頃、手塚の家にも何度となく連れて行かれたし、手塚も母親に手を引かれ、家に遊びに来ていた。そして、それは母親同士とは別のところで現在も続いている。
「…何年前の話だよ?あっても覚えてねぇよ」
「…それもそうだな。…それにしても…」
「アン?」
信号が赤で車が止まり、正面を向いていた手塚が不意に跡部を見やる。跡部は眉を寄せた。
「何だよ?」