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【テニプリ】温泉に行こう!

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投げやりに返事を返して、跡部は溜息を吐いた。そんな跡部を気にするでもなく、手塚は口を開いた。
「それより、お前…」
「アーン?」
「太ったんじゃないか?」
「アアーン?太っただ?この俺様が太るワケねぇだろ」
週3回はジムに通い、現役の頃と比べても何一つ衰えていない。先日だって、リョーマに請われ、練習相手になってやったぐらいだ。寧ろ、目の前の誰かの所為で心労が祟り、体重が落ちていると言っても過言ではない。
「そうか?このあたりに肉がついているような気がするが」
むにっと突然、腹を摘まれ、跡部は飛び上がる。ばしゃりと湯が派手に跳ね上がった。
「いきなり、何しやがる!」
「…ちょっと、腹を摘んだだけだが?」
跡部が顔を真っ赤にして自分を睨んでくる理由が解らず手塚は首を傾ける。
「いきなり、摘むな!」
「断ればいいのか?」
「そんな問題じゃねぇ!」
「ならなんだ?」
コイツのこういう無神経なところが虫酸が走るほど嫌いだ!…しかし、所詮は天然。手塚は不思議そうな顔で跡部を見上げる。跡部は心の奥底から溜息を吐くと脱力して、ぶくぶく湯舟に沈み込んだ。






「…んで、越前はどうしてんだ?」

黙って浸かっているというのも間が持たない。跡部は口を開いた。
「それは、お前の方が詳しいんじゃないのか?先週、会ったんだろう?」
学生の身では中々、会いに行くことも侭ならない。僅かに嫉妬を滲ませて、手塚は跡部を睨んだ。
「…仕事で向こうに行ったときにな。…相変わらず、越前、お前の話ばっかだったぜ」
NYでの商談が思ったよりもスムーズに終わり、時間が出来たのでリョーマに連絡を取った。久しぶりだからとリョーマの方が跡部を食事に誘った。リョーマときたら食事中も、場所を移して入ったバーでも、手塚手塚手塚手塚手塚…。元気にしてるか、ちゃんとご飯は食べているのか、無理はしてないか、寂しがってないか、変な虫は付いてないか…エンドレス…で、何故、海外まで来て、手塚手塚手塚手塚手塚…と、手塚の話を聞かされないとならないのか。俺様の世界は俺様で回っていたはずなのに、中心軸がずれてしまっている気がする…。
「…そうか」
心なしか口元を綻ばせた手塚の頬が赤い。湯の所為ではないだろう。
「お前に変な虫が付いてないか心配してたぞ。バイト、止めさせろとか言ってたし…って言うか、お前、バイトなんかしてたのかよ?」