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【テニプリ】温泉に行こう!

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子どもを叱るような顔の手塚に跡部は寝返りを打った。それを横目に手塚は口を開き掛けたが、言って素直に聞くような相手ではないし、こんなところまできてつまらない喧嘩はしたくない。手塚は言葉を飲み込むとバスタオルに手を伸ばした。
「…手塚ぁ」
「何だ?」
シャツに袖を通して、手塚は畳に肢体を伸ばして寛ぐ跡部を目を細めて見下ろした。
(…でかい猫だな。まるで…)
リョーマもそうだが、跡部もリラックスしているとやたらとだらしない。跡部はリョーマよりも解りやすい。自分の名前に小さい「あ」がついてくる。テンションが高いときがカタカナの「ァ」で、リラックスして素の状態がひらがなの「ぁ」だ。今の跡部は後者だ。
「…腹、減った。朝飯、食ってねぇし」
「来る前に、早く言え。途中、コンビニもあっただろう」
「コンビニの食い物が俺様の口に合う訳ねぇーだろ」
「…そうか」
…ったく、ああ言えばこう言う…。昔は素直で可愛かったのに。跡部は今はこうだが、泣き虫で怖がりで、布団にもぐりこんでくる跡部と一緒に寝てやったりしたもだ。リョーマに言ったら、嘘だと一笑にされてしまうに違いない。
「付き合ってやったんだから、何か食わせろよ」
「…このへんにお前の好きそうな小洒落た店はないぞ」
「不味くなきゃ、どこでもいいぜ」
「…文句を後から言っても、聞かないからな」
薄でのジャケットに袖を通しながら、手塚は風呂に来た後、リョーマと立ち寄る蕎麦屋に跡部と立ち寄ることにした。





 受付でドライヤーを返却する。意外なことに跡部は自然乾燥派。無精者の手塚も右に同じで、ドライヤーは使わない。リョーマも同じくだ。跡部を振り返ると、何が珍しいのか、またお土産の雑貨コーナーを熱心に見ている。そしておもむろに何かを二つ掴むと受付のおばちゃんへと突き出した。
「あら、ありがとう。ふたつで800円になります」
跡部が持って来たものは炭石鹸。どうやらお気に召したらしい。
「気に入ったのか?」
「…ん。まぁな」
跡部は石鹸の入った袋を受け取り、ご満悦に微笑んだ。
「飯、食いに行こうぜ」
ふたりが風呂を後にしたとき丁度昼飯時の時刻になっていた。