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　大の大人になって、初めて泣いた。
　Ｌの埋まっている地面に両膝をついて、彼の寝ているところまで響くように強く叩いた。
「どう、してっ」
　キラを絶対捕まえると言っていたじゃないか。
　必ず、捕まえると言っていたじゃないか。
「月君、もう――」
「いい、松田。月・・・先に行っている」
　後ろからの声はぼんやりとしか聞こえない。
　それよりも、僕のこの張り上げた声があいつに届いているのか。
「聞こえるか、Ｌ！」
　お前は、僕を勝手においていったんだぞ。
　共にキラを捕まえようと、そう言ったのは嘘だったのか！
「・・・竜崎」
　名前を呼んだ。
　僕はその名前しか知らない。
「竜崎」
　僕は、キラを捕まえたかった。僕をこんな目に合わせたキラを、世界中の人を殺しているキラを捕まえたかった。
　だけど、僕が本当に恐れていたのはキラを逃してしまうことでも、これ以上人が死ぬことでもなかった。
「っ――ぅっつ」
　僕が本当に恐れていたのは。
　お前が死ぬことだったんだ、竜崎。
　お前が、僕の前から、この世界から、いなくなってしまうことだったんだ。