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　その目を覗き込んだ月は、深淵に横たわる欲望に身震いする。猛った真紀の目の中にあるものがなにか、まったくわからない。未知なる物へ対する恐怖はキラといえども同じであった。この女は、得体が知れない。月とはまったく別の次元で行き、まったく別の価値観を持っている。
　彼女を突き動かしている情熱はいったい、何なのだろうか。
「目的は、なんだっ・・・！」
「私の目的は、キラVSＬを間近で見ること、それだけよ」
　それだけ、と繰り返して月に微笑む。
「どちらかに肩入れするつもりはない。貴方は貴方、ＬはＬで好きに動けばいい」
　でもね、と月の前に回りこんで、真紀は底冷えのする目と声で、彼を、脅した。
「私の邪魔をするなら容赦しない。最高の地獄を味わうわ、月」
「・・・・・・・・・」
　黙ってしまった月を見上げて、でもねと真紀は続けた。
「私の楽しみが、途絶えてしまいそうなときは、助けてもいいわ、夜神月」
　だって、同じだものね。
　口の動きだけでそう言った女は、夜神との約束を守らなかった、のだけど。