Doubt
・・・つかぬ事を伺いますが。
「・・・大将。何、それ」
その足下に転がる、簀巻きにされてる2人のオッサンは何でしょう。
ん? とごく普通の顔をして、ハボックの指先を追うと、木箱に王様の如くふんぞり返って腰掛けた子供はニヤリと誰かさんそっくりに口元を歪めて笑った。
「このままだと埒あかないだろ?面倒くさくなってきたから、手っ取り早く事情を聞かせてもらおうと思って」
で、ご招待したって?
「相変わらずだなぁ大将・・・」
「な、なんだよ。だって時間ないんだろ?」
まぁそうなんですけど。
思わず遠い目をしたハボックを、ここじゃ目立っちゃいますよ、と既に何かを切り替えているらしい弟が場所移動を提案してくる。
もう、これは、何て言うべきか。
「オレはちょっと本気でお前らの将来を危ぶんだぞ・・・」
「は?」
慣れすぎ。
まぁ別にこの2人の道行きは大変なもんだとは漠然とは思っていたが、それにしても。
この場合、監督責任であの人が悪いんだろうか。
いやいや、しかしこの子供は最初っから大暴れしてたし、元々こんな感じだったが・・・・・・でもさっきの笑い、似てたしな。
「・・・親の背見て子は育つっていうもんな・・・」
「おーい、しょーいー?」
何してんのー?と呼びかけてくる子供たちは既に移動準備万端だ。
良かった、聞こえてないみたいで。