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みとなんこ@紺
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Doubt

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6.






「・・・?」
何か、が聞こえたような気がして、彼は意識を外に向けた。
だが、それ以上先ほどのような音は聞こえず。
しばらくすると階下が何だか騒がしくなってきた。
バタバタと走り回る音と、数人ががなる声。
気配を殺して様子を伺えば、「屋敷が襲撃」「坑道に突っ込め」だの穏やかならぬ単語が飛び交っている。
やがて数人が出て行ったのか、静けさが戻ってくる。
窓際のカーテンの陰から見下ろせば、数人の男が坂を下っていくのが見えた。
確かにその主殿がいるという、屋敷を見下ろせば、何かあったのか、薄く黒い煙が上がってる。
「・・・チャンスかな」
何が起こっているのかはよく分らないが、この場を離れる良い機会だ。複数いた見張りも向こうに行ってしまったし。
しかし、何故か今になって微妙に嫌な予感がするような、気のせいなような。ちなみに彼のそういった勘は、嫌なときほど当たるのだと言ったのは誰だったか。
・・・まぁ、いい。こうしていても暇だし。
「さて、」
どうするか。
そうした所で不意にスイッチが切り替わった。
意識が自然と研ぎ澄まされていく。
「・・・・・・。」
ぎし、と。耳が僅かに階段のきしむ音を拾った。
気配はおそらく2つ。しかも歓迎出来るような感じではない。どうやらここらが潮時のようだ。
ジャケットの隠しポケットから焔の練成陣の印された手袋を引き出しながら、窓から離れ、扉から死角になる、本棚の前に。
適当な本を1冊手に取ったところで、荒々しく扉が開かれた。
「おい」
「部屋に入る前にノックはするものだと教わらなかったかね」
思った方にいなかったためか、一瞬男たちは怯んだようだ。が、人を食った物言いに瞬間で気色ばむ。
「何かおかしいとは思ったんだが・・・てめぇ一体何者だ」
確かめもしなかった癖に何を言うか、と返してやりたいところだが、とぼけたふりをして僅かに首を傾げてみせる。
「何者とは? 君たちが言ったんじゃないか、スタンレーの息子だと」
「るせぇ! もう誤魔化されねぇぞ。のらりくらり適当なこと言いやがって! スタンレーのガキは女のトコしけ込んでよろしくやってたとよ!」
「おかげでモルガンの旦那に大目玉だ。おい、てめぇも出ろ! ガキどもと一緒に穴倉に入ってもらうぜ」
「――――それは困るな」
黒光りする銃を向けても僅かに眉が上がっただけで、男の態度は何ら変わらない。その落ち着きは不気味なほどだ。
引き金を引けばすぐあちらへいってしまうような状況の中で、男はすい、と口元を吊り上げて笑った。
「私の副官は厳しくてね。余程な理由がないかぎり、休暇の延長など許してはくれないんだよ」
男はごく自然な動作で本を下げた。
そのもう片方の手は、白い手袋に覆われて――――


意識が黒く塗りつぶされる前に男たちが覚えていられたのは、指を弾く乾いた音と視界を染めた赤、だった。





作品名:Doubt 作家名:みとなんこ@紺