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涼宮ハルヒの戦国バサラ2

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「恐らくは、空間軸、時間軸が変異しすぎて、未来と連絡そのものがとれなくなって困っているのではないでしょうか?」

 いつもの何を考えているのか、まったくわからないニコヤカスマイルが、今はかげり気味だ。

「じつは、僕も大変困っているのですよ、機関との連絡はおろか、力が使えないのですから。ここは、普通の閉鎖空間ではなく、涼宮さんの作った、戦国BASARA2の世界のようなのですから。」

ハルヒの世界創造の力はまったくあきれるほかない。昨日の今日にいきなりこんな世界にしてしまうのだから、打つ手がない。
ま、もっとも、そんなハルヒに誰がなに言っても、聞くはずがないのだからどうしようもないので、諦めるしかないのか?。

「森、じゃない長門、お前の力で何とかならんのか?」

「不可能、情報思念統合体は戦時下における、涼宮ハルヒの動向に興味を示している。そして、この世界は情報思念統合体の干渉をも妨害している。」

「そうなると長門はどうして動けるんだだ。」

「解析不可能、しかしプレイキャラとして涼宮ハルヒは私も登録したと、推測される。」

「おまえにしては、わかりやすい解説だったな。では、どうやればでられる?」

「解析不能、しかし情報思念統合体としては、涼宮ハルヒの動向を観察のため、放置していても良いと判断している。」

 いうなれば、お前のパトロンは、俺たちを見捨てたということか。さすが高次元情報生命体様は、こちらのご都合なんかお構いなしか。

「それは、言いすぎですよ。事実、彼女もいつものオールマイティーな力はなくなっているはずです。今は、観察しかできなくなっているのですから。それにこれは、涼宮さんが作った世界ですがトリガーとなったことは、止めなかった、僕も含めて全員にあるのですから。」

「そうなのか?」

 長門は少し首を立てに傾けた。
 少し考えてみれば、おれがゲーム話をしたのがネタフリになってしまったのだろうか。
 まったくわからん事をしてくれる。

「後ろうるさいわよ、敵陣もうすぐなんだから私語を慎みなさい」

「わかりました。お館様」

 古泉の野郎要領よく返事をしやがった。

「明智光秀、私の護衛に付きなさい。」

「了解しました。」

「森蘭丸、濃姫、あなたたちは、切り込みの支援ね。」

朝比奈さんは、小さな悲鳴に近い返事をし、長門は、一ミリくらいうなずいた。

「そして、キョンあなたが切込みね。」

「俺だけ、武将名じゃあないのは何故だ。」

「何か不服ある?」

 こんなところにまで、信長のような傍若無人なとこハルヒにダブルから怖い。

「いい、切込みは戦場の華なの、わかったら、とっと先陣にいく。」

「ハルヒ、お前はこないのか。てっきり先陣自分が切ると思っていたが?」

まさに、猪武者、突撃大好きのハルヒならやりそうなのだが。

「大将は、めったに動くなっていっていたのは、キョンあなたでしょうが、中ほどで、出るから安心しなさい。」

パソ研の一件で、一応は成長をしているらしい、そういう意味では喜ばしいことだ。

「なに、ニヤニヤしていんの、とっといきなさい。」

そういわれると、俺の目の前に、城攻めの場面に切り替わった。
まさに戦場、いったいこの敵兵達を書くのに何ビット使ったのかこの世界をでたら、設定資料集でも読んでみたいね。
俺は超刀を振り回し敵兵を切り倒していった。
切り殺した敵が死体にならず小判に代わっていったのが不幸中の幸いといえたし一度クリアーしていたお陰で、敵パターンを読むことができた。
倒した敵の中に国木田、、谷口が入ってない事を祈ろう。

「ナムサン」

心の中で手を合わせながら、蟻の群れのように襲ってくる雑兵を、切り進んでいった。
ハルヒの話したとうり、マップ中盤で合流した。
ちなみに俺が背後からも気を付けていたのだが、それは杞憂だった。
長門が全員打ち落としてくれていたらしい。
朝比奈さんはというと毎度のことというか、運がよいと言うか、迷子になっていたのだが、シャミセンが見つけてくれた。
 「世話が焼ける穣ちゃんだぜ。」と言わんばかりにこの猫はふんぞり返っている。
 元の世界に返ったら、大好きなカリカリのご褒美も忘れないようにしないといけないな。

「あとは、お館様と私達で後勤めします。」

 織田家の参謀は羽田某だったと思うが、それに一番近い明智光秀なら、問題なかろうと思った。

「キョン、ボスの発生地点で、待っているわよ。」

 そう言って先陣を駆けていった。
 俺はと言うと、朝比奈さんの道案内をしながらそれにつづた。
 途中朝比奈さんにもわかるように、武器の使用をレクチャーし、どうしたら迷子にならないかを教え、どうにかボスの間までたどり着いた。
 すでに三人そろっていた。

「遅い、罰金」

 こんな世界でもそのルールを適用させるのか?

「いま、持ち合わせがないから、喫茶店にはいけんぞ。」

 そもそもこの世界に喫茶店なんてない。

「ま、今回は大目に見ましょう。」



 さて、信長の最初出世の功績で、桶狭間で織田信長討たれる武将といえば、今川義元であることは、有名である。
 そして北校で誰あろう涼宮ハルヒの被害をメンバー以外で最初に受けたかわいそうな人は、誰あろうパソコン研究会部長氏である。
 ハルヒは、知ってか知らずこの世界に部長氏も呼んでいたのである。
 パソコン研究会部長氏は、今川義元になっていた。

「おのれ、尾張のSOS団、積年の恨み今こそ晴らしてやるぞ。」

歴史的に、織田信長との対決は初めてのはずなのだが、その言葉には、パソコン研究会部長氏以外出せない重みがあった。

「この、今川義元が、成ば…」

「うりゃ」

 どっかで、見た光景が広がっていた。

「勝負すると決まったときから勝負は、始まっているのよ。」

 みごと、ライダーキックを顔面にたたき込まれてなおたっている、彼も成長したんだね。

 「この、鉄扇うけてみよ。」

 ま、多少卑怯ではあるが、無情にも正確な蘭丸の弓と、同じくらいの的確な明智の鎌、にかかってしまいSOS団総員でかかってしまったので、すぐ倒すことができた。
 ちなみに、予想に違わず朝比奈さんは、銃を変な方向に打っていたのだが、それをカバーしても、戦力的こちらの優位は動かなかった。

「卑怯なりSOS団」

 多少の罪悪感を感じながらこの面をクリアーすることができた。


 面をクリアーすると多少のインターバルが置かれるらしい。
 褒賞だの、買い物だのができる、その間ハルヒが買い物にうつつを抜かしている間、古泉が話しかけてきた。

「春、あれから抜けてきた方法ならあるいわ。」

 思い出させるな。

「だと思いました。」

 まったくこういう状態で、再びあれを思い出させんでくれ。

「と、いうことは、どの道このゲームの世界で死ぬか、それともこのゲームをクリアーするかしかありません。」

「しかし、これが現実世界なら未来まで変わっちまうんじゃないか。」

「そうなのですが、織田信長の最後くらいは知ってますよね。」

「そりゃあ本能寺でって古泉、・・おまえまさか。」