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涼宮ハルヒの戦国バサラ2

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 春、教室に呼び出され、殺されそうになったとき彼女の武器は、確かナイフだったが、今は薙刀だ。そのときののことがデジャブした。そして、そのときも助けに来てくれたのが彼女だった。

「また、私の邪魔をする気。」

 長門が、オレとお市こと朝倉涼子の間に入り薙刀と、弓とで鍔迫り合いの格好になった。

「彼は、殺させない。」

「フーン、じゃあリベンジといきましょうか。」

朝倉は、後方にとびさると薙刀を構えた。

「おい長門、二人で」

「いい」

 何故だ、あきらかに、パラメーター的に今の朝倉涼子とは、互角で春先みたいなことにはならないのなら二人掛かりの方が簡単に片が付くはずだ。

「私が、あなたを守るから。」

 それは、あの事件が終わったとき長門が俺に言ったせりふだった。
 それは、まるで硬い約束事のように聞こえた。

「わかった、やっちゃえ。」

「了解。」

 なぜか、そう言われた長門の後姿が嬉しそうに見えたのは俺の、錯覚だろうか。俺は、浅井長政の元に向かった。


「この世にはびこる悪め! 正義の名において貴殿を削除する。」

 浅井長政は、鶴屋さんだった。
 確かに元気さ行動力でハルヒと同等でおまけに気に入られ名誉顧問になったくらいの人だが、SOS団正式メンバーではないからな。いたっておかしくはない。
 あれ、信長編で今川義元って出たっけ?
 はじめのほうだったので忘れていた。

「やれるものならやってみなさいよ。」

 ハルヒが元気に受けてたっていた。
 なんか、二人して、命のやり取りしているというより元気に遊びまわっているようにしか見えなかった。二人の一騎打ちの形になってしまい結局てを出し損ねて、古泉と一緒に雑兵狩りをすることになった。


 古泉に先ほど疑問に思ったことを聞いてみた。

「やはり、涼宮さんは、この世がゲーム世界じゃあなく現実世界だと思っているのでしょうね。ちなみに朝倉さんに関しては、おそらくあなたの考えているとうりだと思いますよ。」

おいおい、ごちゃ混ぜにするな。そのうちアニメ世界もブレンドしかねないぞ。

「それは、多分ないと思いますが、クリアーの条件は、ゲームをやったことがないのでわかりませんが、多分前に僕が言った方が、正解でしょう。」

本能寺のほうか。普通にゲームクリアーしたのでは本当に世界が変わっちまうのか?

「多分そうなるでしょう。」

 おれは、大きなため息を付いた。誰も殺したり殺されたくはない。そんな奇麗事は、戦国の世で通じるわけがない。俺もゲームをしながらそう考えたこともある。しかし、それが身内だととても耐えられそうにない。今まで倒してきたメンバー外の連中もそうだ。これはゲームだから、世界を戻すからって言い訳しながら戦ってきたのだ。それに賭けるしかないのか?

「前にも言ったかもしれませんが、それは僕の役目のようですから気にしないでください。」

 充分気にする。
 たとえお前が、殺されるにしろ、殺すにしろ何とか打開せにゃならんわけなんだ。
 おそらくそれが、部外者的キャラになった俺の仕事なのだろう。まるで、厄介ごとに巻き込まれたときの役そのままに。


 無事、浅井長政を倒すことができ、何とか成ったのだが少々ハルヒも疲れたようだ。ちょっと無口に成っているようだ。

「何かあったか?」

「え、何にもないよ。」

「そうか?」

 そういえば長門もいつもより何か変だ。
 うまくいえないけど何か引っかかる。
 本当なら、ここでなにかリアクションがあるはずなのだがそのことに気付くのは後になってしまった。


 本願寺炎上、これはハルヒの、知らないはずの連中だよな。そう思いながらおれは、カマドウマの顔の連中と切りあっていた。

「いや〜気色悪いです。怖いです。」

 朝比奈さんが半泣き状態で腰にまとわり付いているおかげで起動力のまったく失わせられた俺は一心不乱に超刀を振り回した。
 心に、余裕ができたのか、それとも免疫ができてしまったのか、朝比奈さんの脅威の胸を堪能することができたので逆に攻撃力に転化されたのかもしれない。
 今のところノーダメージだ。

「ミクルちゃ〜ん。ちゃんと働きましょうね。」

「はひ」

 ハルヒに脅かされて名残惜しそうに離れていった。
 おれも、名残惜しいがハルヒに命を狙われるほうが怖いからな、仕方なしに離れることにした。

「こんな敵いたかしら。」

 ハルヒが、戦いながらそうつぶやいたのを耳にした。
 確か、電脳生命体で長門のパトロンの親戚にして、パソ研部長氏の畏怖の対象でしかなかったはずだ。
 そして、これと戦ったのはハルヒ以外のメンバーだ。
 何故だ。
 そんな、こんなことを考えているとボスの発生地点まで到着した。
 「拙僧が本願寺顕如であ〜る」
 それは、ハルヒ以外のSOS団全員予想していて当たってしまい逆にあっけにとるものだった。

「キャーなによこの気持ち悪い虫は、一体全体こんな虫も天下狙っているわけ?」

 そうそれは、全長十メートルは有ろうかという虫だった。
こいつに会ったのは、確か夏休み前の初夏、パソ研部長氏行方不明時に遭遇した虫だ。

「カマドウマも子孫繁栄の為、天下が欲しいんだろうさ。」

「虫如きに天下なんてやんないわよ。」

 こいつは、あの時完全絶滅したはずだ。
 長門はなにも言わなかったが、あれだって長門のハルヒの暇つぶし兼、エンブレム編纂を狙ってやった行為であると俺は思っている。
 そういえば、長門の動きが妙だ。雑魚戦から、前までの切れがない。

「こんな虫にやられないわよ。」

「キャア〜怖いです。(泣き)」

 朝比奈さんは叫びながら銃を乱射し、古泉はまるで暗殺者にでもなったかの用に動きながらダメージを与えていった。

「ユキそっち行ったわ」

 今まで、ほとんどダメージらしいダメージを喰らったことのない長門が、体当たりで後方に飛ばされた。
 おれは、無事だろうと思いつつもやはり心配で長門に駆け寄った。

「長門、無事か?」

 しばらく動かなかった長門だったが、いつもの無機質な声で答えた。

「生体情報の再生にしばらくかかる、でも問題はない。」

いや、いつもなら先読みして今の攻撃をかわせてはずだし、正直お前はどっかおかしいぞ。

「自己解析ルーチンの使用は、今はしたくない。」

「なぜだ。」

「現在は、限られた力でしか行動ができない。余分な事に使うわけにはいかない。」

「そうか、でも何か本当に問題があったらいえよ。流石にみんなで終わらせないと意味がないのだから。」

「解った。」

「よくも蘭丸を殺ってくれたわね。」

 いや、死んでいないしただの大ダメージを喰らっただけだし、勝手に盛り上がるな。

「いい私のSOS団員に手を出したらどうなるか思い知らしめるのよ。」

 そういうとバサラ技の構えに入った。

「いざや開かん、冥帝の門。」

 まさに、とどめとなり巨大カマドウマは倒された。


 その面でのインターバルにでの事だ。
 おれは、ついに我慢の限界が来たのは。

「おいハルヒ、いい加減天下盗りなんて諦めろ。」

「いや。」

 即答だった。