英西詰め合わせ
何が悲しくて女の子が喜んで食べるようなものを同性なんかと。そう思いながらアントーニョはスプーンで掬ったクリームを口に含んだ。
「なあ、何でパフェ一つしか注文せぇへんの?」
「仕方ねぇだろ。数量限定なんだから」
「そんなら最初から頼むなや。二人おんのに一つっておかしいやろ」
「このパフェ今日で終了なんだよ」
そう返答するアーサーはどこか楽しそうだ。(彼曰く)恋人同士とはいえ、男と喫茶店で堂々とパフェを食べ合う事に抵抗はないのか。鈍感と言われる自分ですら、この状況を疑問を抱いているというのに。
「お前から照れが無くなってもうたらしまいなのになぁ」
「ん?」
「……いや」
「変な奴だな……あ、お前チェリー食っちまえよ、トマトみたいな色だから好きだろ。べ、別に俺が食いたくないからお前にやるだけなんだからな」
「……………………」