高校生って夢いっぱい
「馬鹿じゃないか?というより馬鹿以下だ。場所を弁えろ発情期。だいたい…」
「ごめん月森さま俺本気で死ぬかも」
滅多に食らうことのない月森の本気制裁はシャドウのいないこの空間でも威力を損なわずクリーンヒットだ。(言っておくがキスしかしてない)
教室の床に膝をついた俺を冷たい目で見下ろしていた月森がまた溜め息をはく。
でもさっきのとは違う。
「…馬鹿陽介」
顔を上げれば微かな苦笑いを浮かべた月森。
うん、俺、馬鹿だけど、本気で絶対絶対幸せにするから、
「月森、結婚を前提にお付き合いしてください!」
「だから飛躍しすぎだ。まずはお友達から…」
「退化!!」
叫べば笑う。月森は本当にいい性格だ。
「じゃあとりあえず、ジュネス行くかー」
膝を叩いて立ち上がって手を伸ばす。
「…何?」
「何って恋人の登下校は手を繋ぐと決まって」
「さよなら陽介お前のことは小一時間忘れない」
「忘れんの早ぇえし!」
恥ずかしがっている(俺認識)月森の手を無理矢理持ち上げて強制恋人繋ぎをすると握力の限り握られた。
月森、お前は、自分の握力を知らない。
仕返しだろうけど。離さないけど。
「帰るぞー今日のジュネスは肉がオススメ」
「…それはいい情報ありがとう」
諦めたのか手の力を抜いてされるがままの月森はこう、つまり、
「お、ま、え…!」
「えへっ」
頬を押さえて睨みつけてくる月森の顔はやっぱり赤くて、俺は幸せすぎて死んでしまうんだ!
作品名:高校生って夢いっぱい 作家名:糾合