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空の境界~未来への軌跡~2

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そして、遠坂凛は席を立ってレジに向かった。

「あなたに殺される前に、退散しますわね。ここの御代は払っておきますので。」

優雅にレジに向かうと結界の外に出たらしく、遠坂凛の姿は棟子から見ることはできなかった。
そして、しばらくすると棟子は、レジ前を通り過ぎ喫茶店を出て行った。


〜予期せぬ客人〜

しかし、話はそれで終わることはなかたった。

「なぜ、協会の封印指定と「聖杯戦争」の生き残りが一緒にいる?」

カレーを口に運びながら、もう一つの魔法結社「教会」の「埋葬部隊」のエージェントがこの喫茶店に来ていたのだ。彼女の名前は「シエル」細腕ではあるが、「七聖典」を使いこなす人間だった。同じ魔法結社であっても「教会」と「協会」は、お互い反目しあっているが、この異常事態は異例だ。基本としていくら別組織であっても、封印指定は見逃せる相手ではなかった。魔法がかかっているのだろう。ここからは聞き取れないが、明に封印指定の「蒼崎棟子」が激怒していた。そして彼女がとった行動は、実にエージェントとして当然の行動であったといえる。

遠坂凛は、喫茶店を出るとセイバーの待っている裏路地に入った。

「ここからでも強力な魔力の放出を感じるが、あの女は、何者なのだ。」

すると遠坂稟の体がセイバーに向かって倒れた。

「大丈夫か凛。」
「だ、大丈夫よ。この位バーサーカーに、殴られた時の事思い出せば、どうってことないは。」

あの時は、肉体だが今度は完全なる精神攻撃だ。あの「玄室」の結界でも完全にシャットアウトできなかったのだ。その為精神に防衛魔法を継続的に掛けて置かなければならなかった。

「とりあえず、家に戻ろう。」
「まって。その前に士郎にやってほしいことがあるの。」


〜力比べ〜

その日、黒桐鮮花は夜十時になって自分の通う「礼園女学園」の近くで魔力が動くのを感じた。明らかに何者かが魔術儀式を行っていることが分かった。

「師匠じゃない。誰だろう。」

そして、魔術師が行う「狼煙」が放たれた。どうやら誰か分からないが、自分を呼んでいるらしい。棟子さんならこんなまどろっこしい事せずに、「呼び出し。」をかけるのだろう。
しかし、誰だか解らない魔術師が自分を呼んでいるのだ。「禁忌に惹かれる。」と自覚はしているものの、やはり誰が自分を呼んでいるのか気になる。すでに寮の門限は過ぎているものの「蛇の道は蛇」見つからず、抜け出せるルートが存在していた。緊急用で、同じ部屋のルームメイトしか教えていないルートだ。

「ちょっと咽渇いたから、コンビニまで行ってくるね。」
「それじゃ、ついで私の分もお願い。」
「解った。」

心苦しいが、魔術師として行くからもしかしたら、とんでもない事になりかねない。
約束が守れるよう努力することを誓った。
私服に着替え、その場所に向かうと自分と同じくらいの少年がいた。

「君が、黒桐鮮花さん?」

赤い髪の毛、明らかに場違いな雰囲気の少年だった。

「人を勝手に呼び出しておいていったい、何用なの?」
「いや、もしかしたら同門に成るかも知れないから、実力を測っておく様にいわれて。」

同門?この少年はなにを言っているのだろう?棟子は封印指定を受けているから、魔術師として表向きな活動をできないはずだ。それに、魔術師として在り得ない事をしていた。

「あなた本当に魔術師?」
「一応見習いだけど。」
「だからか。ようやく判ったわ。」
「?」
「「場」を作るための、「人払いの結界が不完全」で、私が補修して置かなければ、第三者が入り込んでも分らなかったわよ。」
「この間、教えて貰ったばっかりだから、まだ完全に習得していなかったんだ。」

呆れた。
「場」を作るのは、基礎中の基礎でそれが発展して、工房や塔といった魔術師に必要不可欠な物になっていくのだ。そして「場」を支配することで、戦闘で優位に立つことが出来るのだ。

「で、棟子さんが教えたには、余りに雑だから同門ってわけじゃなさそうだけど、どういうことかしら。」

少し少年がため息を吐いてから、話し始めた。

「おれもよく知らないのだが貴方の師、蒼崎棟子から俺の魔法の師匠に、「自分にもしもの事があれば弟子をよろしく。」という話し合いがあったそうだ。」
「私を?」

少年は頷いた。

「どうして、師匠は急にそんなことを?」
「理由を知りたければ、俺を倒してから聞きに行けば良い。俺は、修行として挑むよう言われたのだから」
「分ったは。」

そういうと、少年の体が燃え出した。

「さすが、「炎のルーン」対炎魔法の札を準備してなければ、一撃だったよ。」

その少年を包んでいた炎が一瞬のうちに消え何もなかったように、その場に立っていた。種を簡単に明かすなんて、いったい彼は何者なのだろう。魔術師を名乗る者は、普通そんな事はしない。

「貴方何者なの?」
「俺の名は衛宮士郎(えみやしろう)。魔術師「見習い」。」

そういうと衛宮士郎は、闇の向こうに走り出し、姿を消した。

「よりにもよって「衛宮士郎」ですって。」

その名には、聞き覚えがあった。七人の魔術師達が選別され、「サーバント」と言う強力な使い魔を使役し、聖杯をめぐり殺しあう「聖杯戦争」。そして、前回の「聖杯戦争」の終止符を打った魔術師の名前が、「衛宮士郎」その人である。

「噂どうりの、魔法音痴ね。」

そういうと黒桐鮮花は、闇の中に衛宮士郎を追っていった。


衛宮士郎は、正直こんな仕事をやりたくはなかった。
しかし、現在「腹ペコ王」もとい「騎士王」セーバーの食費の六割から八割を凛に出してもらっている以上、逆らえるはずがなかった。

「巧くすれば、余計な死人を出さずにすむかもしれないは。」

そう言われても自信がなかった。

「アイツなら、どう対処したかな。」

顔を見るのも嫌いなはずなのに、そして今の自分と正反対なのに未だに、思い出す未来の自分アーチャーとなって自分を殺そうとしていながら、結局自分は、あいつを本気で憎むことが出来なかった。
とりあえず今は、やるべき事をしようと思った。

「トレース」

自分の魔法回路を起動させる。自分には「投影」という特技があった。これは、見たものをこの世界に固定させ、その物の用に扱うことができてしまう優れものである。今回は、古代中国の神話に登場した「鳥号」という弓とアマゾネスが使っていたといわれる「トリネコの矢」を投影することにした。
今思えば、「聖杯戦争」で「アーチャー」の「カテドボルグ」を普通の人間に撃つと、大変なことになっていたのだろう。いまさらながら、ぞっとする。
案の定、黒桐鮮花は自分を追ってきていた。向こうは闇でこちらが見えないだろうが、俺は視力には絶対の自信があった。十分な間合いに成ると、早速一投目を放った。
そして、今度は高いところに移動することにした。

「アイツと同じ戦法だよな〜」

原型が同じなのだから仕方なかった。
そうして、狙撃ポイントを変えながら一撃、一撃と計十本の矢を撃ち終わった。
驚いたことに、一本も矢が体に刺さってはいなかった。飛んでくる矢を咄嗟に焼き落していたのだ。