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空の境界~未来への軌跡~2

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式のお父さんは、何も言わず僕を見下ろしていた。

「両方の家の事は、何とかしますのでどうか僕に式をください。」

微動だにしなかった、式のお父さんが口を開いた。

「そういうことだ、「式」よ。お前の気回しも意味がなかったのう。」

そこには、顔を真っ赤にした式が立っていた。

そのころ、多少の時間差があるものの大体同じ時間に三人の少女が、叫び声を上げた。


〜一人目「シスター」の叫び〜

「いったいどうしてこうなったのうよ〜。」

一人はシエルである。シエルは喫茶店から出て行った封印指定「蒼崎棟子」を尾行していたのだが、「人払い」の結界に入ってしまい、追うことができずにいた。

「どうしたら良いのよう〜。」

上に連絡を入れても

「今のところ、魔力変動もないし「協会」が絡んでいては、こちらも容易に動くことはできない。当面は君の判断で当たるように以上。」

いうなれば

「お前一人で何とかしろ。」

とのことである。普通は、途方にくれてセーフハウスに戻るところだが、日々の行いがよかったのか、それとも天は我を見放さなかったのか。前方に見えるラーメン屋から出てきたのは、「乾有彦(いぬいありひこ)」君と「遠野志貴(とおのしき)」君である。

「あれ、先輩どうしたんです。」

志貴君が気付いてくれた。幸いまだ学生服のままで周囲には怪しまれていない。

「乾君。至急志貴君を貸して。」
「「はい?」」

二人からの疑問を無視して、志貴君を連れて見失った場所に連れて行った。
正直、「アルクエイド」やブラコン妹「遠野秋葉(とおのあきは)」が一緒じゃないだけ、ありがたかった。もし一緒なら一触即発になりかねず、尾行どころではなくその場で戦闘になりかねなかった。とにかく、簡略的ではあるが、相手は「封印指定」戦力はあって足りないということは無いだろうと考えた。

「あのどういうことなのか、説明してほしいんだけど。」

とりあえず、簡略的に説明をした。

「吸血鬼じゃなく、今度は魔女を追っているんですか。」
「そうよ、相手が強力だから何とかしたいの。協力して。」

彼のいいところは、とても優しいところにある。少々二重人格的な所もあるが基本的に吸血鬼だって許してしまう程優しいのだ。だから自分のお願いを無下にはしないだろう。

「解りました。協力しますがその人が本当に悪い人で無い限り手は、出しませんよ。」

「魔眼」持ちなのだが、本気にならないと力を出してくれないのが玉に傷ではあるが、
それでも自分の存在を認めてくれた、彼ならしかたが無いと思った。

「OK、契約成立とまではいかいなけど十分よ。それじゃ、早速お願い。」
「ハイ」

そういって、志貴は眼鏡をはずし「結界」を睨んだ。そして「直死」で「結界」に穴を切り空けた。

「さっすが、志貴君衰えていないわね。」
「さっさと、尾行しましょう。」
「そうね。」

幸いまだ残留した魔力のが、漂っていた。
この時、既に蒼崎棟子の術中に嵌められていとこを二人は知らなかった。
「封印指定」の自分が常に追われる立場である事を心得ていた。そのため追跡者がいようがいまいが、常に「対追跡者」用の魔法を掛けているのだ。結果更に対象者を見失う結果になるのだ。唯一つの例外を除いてこれは、魔術師、一般人供に有効だった。ただ、猫にまでは、有効ではなかったようだ。
二人が同じ道をグルグル回っていた所に、これも偶然「黒レン」こと「アルクエイド」の使い魔が「なに馬鹿やってるのかしら。」と思っているかも知れない黒猫が二人の前にちょこんと座っていた。

「レン?」
「ニャ〜」

その黒いリボンは間違いなく「黒レン」である。

「レンすまない。あの魔女がどこに言ったか解れば連れていいてほしいんだけどいい?」

あの魔女とは誰のことであろう?確かにここを通った強力な魔術師はいた。少しレンは、悩んだが「遠野志貴」が絡んでいる以上ご主人の手前、断ることができなかった。それに「教会」の女が一緒である。ご主人にこの事態を見過ごしたとばれたら怒られるのは、目に見えている。
仕方なしに二人を導くことにした。


〜二人目「魔女」の叫び〜

「どうして、こうなったのよう。」

二人目は、遠坂凛である。冬木市に有る衛宮士郎宅で、妹等とこの家にどの部屋に泊まるかの算段をしていたときのことだ。ちなみに大河と、イリヤは食べ終わると「最近おじい様が、他の組とのいざこざで、早く帰ってくるよう五月蝿いのよ。」と言って帰っていった。いつの間にかイリヤも後継者の一人に数えられていたのに驚いた。そして二人は、「セーバー」並みに衛宮家のエンゲル係数を上げていた。
しばらくして、かかってきた国際電話を士郎が取ったが、本場のイギリス語でわからなかったのでとっさに凛にまわした。
しばらく話して電話を置いたと思ったらこの叫び声である。

「どうした、凛」
「うっうどうしよう。士郎。」

抱きついてきた。

「いったい何があった。」
「いったい、どうしたのお姉ちゃん。」
「どうしたのだ、凛。」
とりあえず落ち着かせて、台所からただ事ではないと感じた桜も出てきた。
「今日のこと、協会にばれちゃった。」
「今日のことって?」

確か、「封印指定」と接触して弟子の処遇を話し合ったことと、その弟子と一戦交えたことだろうか。

「実は、「教会」側からロンドンに問い合わせがさっきあって、冬木市を管轄している「私が、「背任行為」をしている。」って言ってきたらしいの。その証拠として、冬木市に「封印指定」を招き入れた。」と教会の人間が報告してきたらしいのよ。」

ここで、セーバー、士郎、桜は、思った。

「「「自業自得」」」

そして冷ややかに。

「姉さんのせいですね。」
「凛のせいだ。」
「遠坂のせいだな。」

遠坂凛は、泣きそうに成って反論した。

「だって、ここの管轄は私なのだから、そんなに簡単にばれるなんて考えていなかったもん。」
「凛、それは「協会」での話しではありませんか。「教会」は別にそんなこと考えていないでしょう。」

「協会」と「教会」は同じ魔法結社であっても別組織である。場合によっては共闘するが、通常は反目している。それだけに、「協会」側としては、そんなことを言われて面白いはずがなかった。「ウッカリン」ここに有だ。

「「教会」が絡んでくると成ると、早くあの女を止めなければ。」
「あの、弟子って方のこと?」
「いえ違うは、師匠の方よ。」
「確か、凛は「「秋巳大輔」を殺すようあの女に言った。」と言ってなかったか?」
「そんなこと俺は聞いてないぞ。」
「そうよ。だって「殺せない」って相に出ていたもの。」

凜以外の頭に「?」の文字が浮かんだ。

「これは、人相学の部類である種、二人は相思相愛に成るべき「因果律」を持っていたの。ちなみに、「警察に先を越された〜」って士郎が騒いだ一軒が有ったでしょう。あの時「秋巳大輔」の相は確認したの。それで、調べた結果なの。」

士郎の頭にさらに「?」の文字が浮かんだ。士郎の場合「理論」で理解するタイプではなく、「実践、実験」で理解するタイプなのである。
すると桜が、夢見がちに話しに入った。