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願わくばもう一度・・・

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総悟が道場に着くと、そこには近藤と土方、ミツバの3人が楽しそうに談笑していた。近藤と土方は気付いているのか分からないが、ミツバの頬がわずかだが、朱に染まっている。3人の様子を見ていた総悟にミツバが気付いた。
「総ちゃん、こっちにいらっしゃい。」
その言葉に近藤と土方が振り返る。総悟の目に留まったのは、総悟の気に入らない、いけ好かない土方の顔。
『この男に姉上は惚れている』
思うと同時に、総悟は踵を返して走り出した。後方からは自分の名を呼ぶミツバの声が聞こえる。それでも足は止めなかった。どこを走っているのか分からないくらい走った。突如、後ろから腕を強く捕まれ、引かれた。勢いで尻餅をつく。そのまま顔を上げると、総悟にとって一番見たくない顔があった。
「お前、何してんだ。死ぬ気か?なら止めねーが」
「別に・・・」
すぐさま顔を背ける。目の前は崖があった。土方に止められていなかったら、落ちて土に還ることになっていただろう。
「・・・まぁいい。早く戻るぞ。」
総悟の腕を握ったまま、歩き始めた。総悟が歩幅の関係で転びそうになる。気付いた土方はため息をついた。
「しょうがねえな。急いでるから、文句は言うなよ。」
そう言うと、土方は総悟を脇に抱え込んだ。当然のごとく総悟は暴れる。
「てめっ!何しやがる!放せ!!!!」
「るせーな、黙ってろ!・・・あいつが倒れたんだよ。お前、もう少し自分の行動を考えたらどうだ?俺に文句言う前に、てめーの姉ちゃん心配させるようなマネすんじゃねーよ。」
返す言葉が無かった。うな垂れる総悟を抱えたまま土方は、来た方角に駆けていった。