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願わくばもう一度・・・

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「おい総悟、サボるな。起きろ!そのアイマスク外せ!ったく、寝ている時までなめた面しやがって。」
土方が総悟に近づく。
「なんでィ。人の邪魔をする奴は馬にけられて踏みつけられてゴミ収集車に連れてかれろって話を聞いたことがありやせんかィ?」
目を瞑りながら、アイマスクを外す。そして目を開けると、瞳孔の開いた土方が写った。
「そんな話聞いたことがねーよ!!」
突っ込みを入れた土方を相手にせず、総悟は辺りを見渡した。
「おい、無視すんな!」
と土方が言うも、総悟は辺りをもう一度確認するように見渡した。そして土方を見た。
「短い。・・・夢か。」
「おーい、トシ!総悟!」
総悟の呟きは近藤の声にかき消された。呼ばれた二人は振り返る。
「今日は総悟の誕生日だったろ?だからさ、パーっとやるぞ!」
手を広げて、楽しそうにしている。
「そうだ、誕生日プレゼントは何が・・・ん?」
総悟の手元に近藤の顔が近づく。総悟と土方は近藤の視線の先を見た。赤いリボンが総悟の右腕についている。
「どうしたんだ?さっきまで付けてなかっただろ。」
近藤が尋ねるが、総悟は黙ってリボンを見ていた。
「総悟?」
近藤が総悟の目の前で手を振る。我に返った総悟は、まだリボンを見つめながら微笑んだ。
「誕生日プレゼントでさァ。」
「そうか。よかったな!で、俺からのプレゼントは何がいい?」
問われた総悟は土方を一瞥して、ニヤリと笑った。
「近藤さんが選んでくれたものなら何でも有難く受け取らせてもらいやすゼ。」
「そうか?よし、いいものをプレゼントしてやるからな!楽しみにしてるんだぞ。」
近藤が二人から離れていく。すると総悟は、後ろを向いてタバコをふかしている土方に話しかけた。
「土方さん、近藤さんはプレゼントをくれるらしい。土方さんからは何も無いんですかねェ?」
「あ゛?常日頃から仕事を怠けている奴にプレゼントなんざねー・・・」
―ガシャン―
土方が言い終える前に金属音が聞こえた。肩越しに振り返った土方に向け、総悟がバズーカを構えている。
「やったー。土方さんが副長の座をプレゼントしてくれるってー。」
発せられた言葉は、明らかに棒読みだった。
「おま、何して・・・あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!!!」
爆発音が屯所内に響き渡る。すぐに近藤が駆けつけた。
「総悟く~ん!?なにやっちゃってるのォォォォォ!!!!?」
「江戸で一回、花火を打ち上げてみたかったんでさァ。人間花火と言う名の・・・」
「俺じゃなくて てめーを打ち上げろォォォォ!!!!」
黒い煙を上げつつ、土方が文句を言い放った。
「チッ。しくじったか。じゃ、もう一発。」
もう一度バズーカを土方に向けて構えた。近藤が焦って止めようとする。
「ちょ、総悟君!やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
しかし総悟は引き金を引き、本日二度目の爆発音が屯所から聞こえた。


<完>

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