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Blessing you(英米/R15)

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「ただいまー。世界のお兄さんが帰ってきたよー」
「おかえり、アメリカ。カナダ」
「ただいま!イギリス」
フランスは無視してカナダから荷物を受け取り、アメリカの前にしゃがみ込む。
頭を撫でるとくすぐったそうに笑い、それにつられてイギリスも笑みを零した。
「おかえりなさい、皆さん」
イギリスの後から来た日本もにこりと笑って出迎える。
イギリスに頭を撫でてもらったアメリカは元気いっぱいに
「日本も頭撫でてー」
と日本に突撃していく。
爺さんなので腰に響くことはしないでくださいと言いながらもまとわりつくアメリカに
あわせてしゃがみ込み、さらさらの金糸を撫でた。
その微笑ましい光景をイギリスはニコニコというよりもヤニさがった顔で眺める。
隣に並んだフランスも口唇の片側を持ち上げイギリスの肩に手をまわして囁いた。
「おー坊ちゃん。ずいぶんスッキリした顔しているじゃないの?」
一発抜いた?と下品な言葉を吹き込むフランスにイギリスはにっこりと笑顔を浮かべ
ここ数十年で一番の拳を腹に叩きこんだ。
油断していたフランスはその一撃に声を上げることすらできずにしゃがみ込む。
本当に痛いときは声が出ないのだということを今の時代に思い出すことになるとは
思いもしなかった。
しゃがみ込んだフランスを尻目にさっさとイギリスはアメリカと日本と共に
リビングに戻っていく。
唯一残っていたカナダがフランスに声をかけるが余程痛いのか答えることが出来ない。
困ったなあとフランスの背を撫でながらカナダはリビングを振り返るが
誰もこちらに来る様子は無い。
少しでも痛みが和らぐように背中をゆっくり撫でているとフランスが
「イギリスさ」と声を上げた。
「復活したみたいだね。あんなにやばそうだったのにさ」
「みたいですね。アメリカとも普通に接していましたし」
リビングから零れてくる喧騒にひっそりとカナダは笑いを零す。
やはりあの二人はああやって騒いでいるのが一番しっくりくる。
「あーあ、お兄さん貧乏くじばっか。今日なんかイギリスに殴られっぱなしよ」
「でも、フランスさんを殴っているイギリスさんって生き生きしていますよね」
「カナダ・・・それはフォローになってないよ」
ようやく痛みから復活したフランスはフラフラしながらも立ち上がった。
まだジクジクとお腹が痛むが、我慢できないほどではない。
背中を撫で続けてくれたカナダにMerciと礼を告げリビングへ向かう。
「ホント早く元に戻ってよ。俺の身体がぼこぼこになる前にさ」
そもそも調子狂うんだよね。元気のないイギリスって。
本音だけは心の奥底に押し込めてフランスはため息をついた。
作品名:Blessing you(英米/R15) 作家名:ぽんたろう