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Can I.....?

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■□―2―□■




「まったく、いい加減にしたらいいのに。君ら、ここの薬品どれだけ使ってると思ってるの。」
「あはは。いいじゃない。これくらい。別に入院したりしているわけじゃないんだからさぁ。」
 今日も例のごとく、シズちゃんとやりあってからできた擦り傷やちょっとした打撲の手当をしてもらうために、新羅のところへとやってきた俺は、ところどころできた俺の傷にため息をついた新羅に笑う。
 最初はある程度の善意と呼べるようなもので治療してくれていた新羅も、ここまでくるとキリがないと思ったのだろう。いつからかは俺からは治療費をとるようになっていた。まぁ、俺もこれくらい払えない身でもないから、それなりには置いていっている。それなりに、ね。今でもタダ同然で治療してもらっているシズちゃんとは違うし、ね。
 再びため息をついた新羅に招かれて、彼の仕事場へと足を運ぶ。今は1人のようで、他に誰かのいる様子はない。綺麗に片づけられたマンションは、「私とセルティの愛の巣!!」なんだそうで、だったら仕事場と一緒にするなよ、と何度突っ込んだか知れない。かといって新羅の仕事上、仕事場と生活空間を分けるのが難しいのも確かだろう。
 だからといって、ここに来ることを遠慮してやるつもりは毛頭ないわけだけど。
「久々じゃない?ここに来ないといけないような傷つくるのも。」
「そうだよねー。俺としたことが、ちょーっと油断してたみたいだよー。まったく、あの化物に対してそんな隙つくるなんて、ね。」
「そんな事言って。」
 新羅はくすくすと笑う。けれど、さっきのシズちゃんとのやりとりは俺にとってはちっとも楽しいものじゃなかった。どうにか避けはしたものの、手をついたりしたせいで傷はつくるし、シズちゃんから逃げて後、騒ぎを聞きつけたサイモンには説教されるし・・・全く、本当、散々だよ。サイモンは普段ちゃらんぽらんの日本語を使ってはいるけれども、ロシア本国ではそれなりの人物だっただけあって、本気で説教すると結構面倒な相手だったりするのだ。その相手に、本気で怒っていたわけではないとはいえ、捕まってしまうのはあまり嬉しくはない。
 本当、いつか、本当にあの金髪頭を血で真っ赤に染めてみたい。サングラスを割ってやって、どうしようもない敗北を味わせてみたい。まぁ、思ってるだけで行動に移さないなんてことは絶対にしないから、近いうちにあの化け物には絶対に、膝をつかせてやる。
「ねぇ、臨也。治療中くらい、どうやって静雄を陥れてやろうか考えるのをやめたらどうなんだい?まったく、これほど治療に集中してくれない患者もそうそういないよ?・・・・・あぁ、君は静雄についてのことを考えてるときはものすごく分かりやすいんだから、そんな怖い顔しないでくれないか。遺憾千万だよ。」
 会ってから三度目のため息をついた新羅は、打撲したところを診察しながらもなんでもないように言う。自分の考えていることを読まれる、ということは言うまでもなく不愉快であることを俺は知っている。もちろん、人にそれをやることは好きだけれども、それをやられることは俺は好きじゃないどころか嫌いだ。きっと、新羅じゃなければ地獄の底にでも叩き落としているかもしれない。

作品名:Can I.....? 作家名:深山柊羽