二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

銀河

INDEX|2ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 

「アメリカ」、はい、ココアだよ、とマグカップを差し出すと、アメリカはぐしゃぐしゃにしたクッションから顔をあげて、目の前に差し出されたマグカップを受け取った。「あったかいもの、おちつくよ」、外は寒いからね、ほら、クッションを放して、もう涙でぬれて冷たいでしょう。僕がそういういうと、アメリカはいつもじゃあ考えられないしおらしさで、静かにクッションを話してまた足元へおいた。ぬれたクッション×2、またカバーを変えなければいけない。
 君は僕に何にも言わないくせに、どうしてまた泣きに来るんだい、と僕はたずねられないでいる。一緒にいれた僕の分のココアを、ゆっくりゆっくり息でさまして、口の中をやけどしないように、少しずつ飲み下す。アメリカはマグカップをもったままじいとそれを見つめている。「飲まないの」、と僕は聞いた。他に言いたいことはたくさんあったけれど、言わないでおく。困ったように笑うと、「君、ほんとに俺に甘いよね」、と、アメリカは鼻をすすりながら言った。ティッシュの箱を差し出すと、ありがとう、とそこから二枚とって鼻をかんだ。ゴミ箱もさしだすと、うん、と頷きながらゴミをそこへ入れる。「本当に、甘い」。
「それは、どうも」
 僕は褒められることじゃあないだろうと思ったけれど、素直に頷いておいた。ココアは結局一口も飲まれないままゆっくりさめていく。「何も聞かないの」、とアメリカは僕へ尋ねてきた。僕はうーん、とうなった後、「だって君が何も言わないのだもの」、と答える。アメリカはしばらく黙り込んだ後、「普通こんなにして泣いてたら何があったのか聞いてくるのが普通じゃないの」、と僕へ言った。僕はそれが普通だとは限らないさ、と、ココアの最後の一口を飲みきって、テーブルへことんとマグカップを置いた。「僕、面倒ごとにあまり首をつっこみたくないタイプで」。
「面倒ごとだって。失礼な」
「じゃあ今すぐ玄関をあけて出て行ってくれないかい」
「うん、ごめん、面倒ごとだよな、オーケー、俺が悪かったよマシュー」。そういってアメリカはまた泣き出した。アメリカはこんなときばかり名前で僕を呼ぶのだ。

作品名:銀河 作家名:みかげ