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そういうわけなので彼女にはさわらないでいただきたい。

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正直どうしたら良いか、迷った。
情報屋である臨也の耳にある噂が入った時のことだ。




池袋の自動喧嘩人形に、ストーカーしている命知らずがいる。



最初に知った時は思わず声を出して笑ってしまったけれど、考えてみれば性格と性質に多少難ありとはいえ、あれでいて静緒はかわいらしい顔をしている、よってあり得ない話じゃあない。

まあ噂が広がれば本人の耳にも入るだろうし、そうなればそいつの命はないだろうから心配はしなくて良い。
何を心配するのかと聞かれれば困るけれども。


そういう訳なのだが、やっぱり気に食わない。
そして臨也はその理由を理解していた。悔しいことに。

(てかストーカー被害に気付くのが本人より前に周りってどういうこと)


警戒心が強い癖に、無頓着すぎる。馬鹿じゃないの一回痛い目にあうべきだよね。
そうやってぶすぶすと胸中で文句をつけながら、心配とかじゃないバカにしてるだけだしとか言いながら、




―――気付いたら静緒のアパートの近くに来ていた。


(馬鹿は俺だったー…)