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そういうわけなので彼女にはさわらないでいただきたい。

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だからって。
だからってこれはない。
臨也はアパートの下から静緒の部屋を見上げていた。


思いつきで決行を決めた悪戯。それはストーカーの写真を撮って静緒に突き付ける事だった。
ほうらこわい!君のゴミ漁られてるよ!お風呂 覗かれてるよ!かわいそう!こわいこわい!
そうしたら、意外と怖がりの静緒は顔を青くするだろう。そして恐怖は簡単に怒りにすりかわる。
あとがどうなるかは、火を見るより明らかだ。

計画としては、その筈だった。


にやにやと笑う臨也に気付かず、男はゴミを漁り、いくつかを採集し、そして静緒の部屋の前に移動する。
そして――――――ポケットから鍵を出した。出したら開ける、開けたら入る。当たり前みたいな動きで。



「…え」

それに焦ったのは臨也だ。
たかがストーカー。ゴミを漁って手紙を置いて、とかそんなもので終わると高をくくっていたからだ。
あわてて横路地から飛び出してアパートの下まで駆け付ける。

勘違いしていたのは臨也で、ああ見えてまさか彼氏だったのか。そんな馬鹿な。あんなのが好みか。いやゴミ漁ってたし。

若干混乱しながら男が入っていったドアを見上げる。
というか中には静緒がいる。流石の静緒とはいえ中まで変態が侵入してくれば気付くだろう。
彼女に限って力で抑えられる事はない筈だし。
そう考える思考とは関係なく、体は2人が上がって いった外階段を上がっていく。


(そうだ彼氏のわけないし。びっくりした…不覚だ…)
計画は失敗だけれど、まあこれで静緒もストーカーも懲りるだろう。まあ良かったんじゃないだろうか。
ドアの前で立ち尽くす。静緒はまだ気付かないのか、何も聞こえない。
イライラする。


もうすぐしたら中から怒鳴り声と何かが壊れる音がして、

もうすぐしたら。
もうちょっとで。
もうちょっと、で



「聞こえないっての!あーもう!馬鹿!」



中はまだシンと静かなままだ。もうどうにでもなれ、ええいままよ。


臨也は乱暴にドアを開けた。