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そういうわけなので彼女にはさわらないでいただきたい。

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それからの臨也の行動はびっくりするくらい早かった。
縛りあげて身動きをとれなくした男を部屋から引きずり出してアパートの前の歩道に転がす。
静緒の服をさっと直して自分のジャケットを無理矢理着せて、抱きかかえるようにして部屋を出るといつの間に連絡したのやらそこにはすでにセルティが待っていた。

「じゃ、頼んだよ」
『わかった』

そのまま静緒をセルティに渡し、臨也が背中を向ける。

どこいくんだよ、そう言おうとした静緒の前に突き出される文字。

『男にはやらなきゃいけないときがあるんだよ』
「はあ?」

そのままセルティは静緒に影で作ったヘルメットを被せると、バイクが大きく嘶かせた。
つかまっておけよという風に肩を叩いて―――

静緒を乗せたバイクは音もなく走り出した。







「さて」

静緒をつれてセルティが去った後。
臨也は男を地面に転がした男をみてニタリと笑った。
もし静緒がそれを見ていたとしたらこう言うだろう。


「今日の中で一番臨也っぽい顔してた…」