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加賀屋 藍(※撤退予定)
加賀屋 藍(※撤退予定)
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雨のち曇り

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綱吉の頬を濡らした雨が弱まったところで、綱吉は改めて雲雀に話し掛けた。
「ヒバリさんは俺を追って、どうする気だったんですか?」
「さぁ。ボンゴレに行ったら、たまたま君の話を聞いて、あまりにも馬鹿なんで咬み殺してやりたいと思ったんだけど」
「えぇっ!?」
「止めたよ。馬鹿は死んでも直らないらしいからね」
「……それは、有り難がるべきなんでしょうか?」
「まさか。救いようもないってこと」
「……」
思わず黙り込む綱吉に頓着せず、雲雀はとりあえず水が落ちることはなくなったジャケットを羽織り、軒下から出た。
降り止むことなどないように見えた雨は、今は大分小雨になっている。
「弱まったね。じゃあ、帰るよ」
「そうですか、じゃあ…」
また今度の会合で、と言いかけた綱吉を雲雀が睨む。
「何言ってるの、君も帰るんだよ」
「え?」
「もう忘れたの?僕は君を追い掛けてきたんだよ。君を連れ帰らずにどうしろっていうの」
群れてるのは嫌いだけど、大好きな群れから逸れた羊は何処に行くかわかったもんじゃない、と雲雀は嘆息した。
「仕方ないから送ってあげる。帰るよ」
「……はいっ」
踵を返した雲雀を追って、綱吉は軒下から飛び出した。
空を覆いつくす雨雲から降る、今にも止みそうな弱い雨は、もう綱吉の心を暗く圧し包んだりしなかった。