貴殿の傍に・・・
「政宗殿は大丈夫であろうか」
戦う前から戦線から離脱し、数刻もたたないうちに政宗の心配を始めた。自身の心配よりも人の心配をする幸村に、佐助は呆れながら溜め息をついた。
「そうだなァ・・・状況はかなり悪いように見えたけど、竜の旦那なら何とか凌ぐっしょ。もう心配しなさんな」
布団を用意し、幸村を寝かせようとした。だが幸村の回復力は早く、寝かせつけられる前に立ち上がった。
「やはり心配だ。佐助!馬の用意を!!」
「はいはい。まったく、この人の回復力は人並み以上なんてもんじゃないよ」
主に対して口を減らすことなく、仕事だけはこなす。佐助はすぐに馬の支度を済ませた。
「では行ってまいる。佐助は留守を頼んだぞ!」
「はいよ、いってらっしゃい」
手をヒラヒラと動かし、佐助は幸村を見送った。