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リヲ(スランプ中)
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novelistID. 4543
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むかしむかし

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「あっ♪ニールとライルだぁ♪また遊びにきてくれたの?」
笑顔で俺たちを出迎えてくれるアレルヤと、
「・・・こなくていいのに」
口では素っ気無いことを言うけれど、ただ素直になれないだけのハレルヤ。
そんな二人に出迎えられて俺たちは笑顔になる。

・・・ここが、特別室でなければと何度思っただろう。
またダメだったと父から聞いた時にはまるで自分のことのように胸が痛んだ。
二人の体を蝕む奇病・・・。
それはテロメアがなくならないという病。
一見すると不老になれて嬉しいと思えるかもしれない。
しかし、それはある程度の年齢にまで成長できてからの話だ。
二人は昔と変わらず・・・外見は今も10歳前後の子供のままだ。
しかも父に引き取られるまでは治療どころか、
不老を求めるヤツラによって実験動物として扱われていたらしい。

今はまだ新米医師でしかない俺とライルだけど、必ず治療してみせると誓い合った。

「ほら、お土産のあんぱん」
「今日も検査頑張ったからな・・・。そのご褒美だ」
「ありがとう・・・っ」
「・・・俺はつぶあんしか食わねーぞ」
「ちゃんとハレルヤのはつぶあんだよ」
苦笑しながらハレルヤにあんぱんを渡す。
二人は中身を確認することなくパクッと頬張る。
信頼されてんだなとライルと笑いあう。

テロメアが正常値になったら安定するまで投薬が続くだろうが・・・、
俺もライルもその日が待ち遠しかった。
なぜなら・・・ニールはハレルヤが。
ライルはアレルヤのことが初めて出会ったその時から好きになっていたから。
もちろん告白はしたのだが、こんな体だからと断られてしまった。
それでも、まだ諦めてはいない。
振られた理由が体のせいならば、成長できればその理由はなくなる。
・・・二人を治してあげたいと純粋に思ってはいるけれど、
ただ自分たちのエゴなんじゃないかと思うこともある・・・・・・。


「・・・アレルヤ。面白い本持ってきたからさ、一緒に読もうぜ」
とライルがアレルヤを抱きかかえてベッドへと連れて行く。
それを見て俺も、
「ハレルヤ。俺たちも星を観にいこうぜ?」
ハレルヤを無理やり姫抱っこする。
「っ!離せよっ、もうあんなの見飽きた・・・っ」
「まぁまぁ」

暴れるハレルヤを抱きかかえて連れてきたのは、
入院患者のための娯楽室。プラネタリウムまで観られる優れものだ。
「ダチに作ってもらった特別なプログラムだから・・・ちょっとだけ、な?」
有無を言わせずにゴーグルをハレルヤに装着させる。
そのハレルヤをこっそり膝の上に座らせて俺もゴーグルを着ける。

作品名:むかしむかし 作家名:リヲ(スランプ中)