むかしむかし
「ほら、ハレルヤ。一面の星空だぜ」
「・・・もう見飽きたって言ってるだろ・・・」
「ちゃーんと観てみろよ。足元とか」
めんどくさそうに地面を見たハレルヤはうわぁ・・・と感嘆の声をあげる。
足元に広がるのは広大な水。
それに星空が移りこんでいて・・・、
「どっちが空なのかわかんなくなりそうだ・・・・・・」
ウットリと星を見つめるハレルヤの傍で片膝をついてハレルヤの手を取る。
「お気に召しましたか?愛しの君・・・」
その手の甲に口付けると笑われてしまった。
うん・・・自分でもクサイと思う・・・。
「っ・・・、なんだよ、それ・・・っ」
気を取り直して・・・俺はもう一度微笑む。
「俺はいつでも本気なんだぜ?ハレルヤ・・・」
「・・・バーカ。・・・でもこの星は気に入ったぜ。あんがとな」
照れくさそうに頬を染め笑うハレルヤはとても綺麗だと思う。
「じゃあさ、ハレルヤ・・・」
「?」
ぎゅうと抱きしめて、耳元に囁く。
「ご褒美にキスしてくれよ。どこでもいいからさ・・・」
「・・・じゃ、目つむれよ・・・・・・」
一瞬だけれども、確かに唇に感じたぬくもりが愛おしい。
「・・・ハレルヤ」
目を開けると、目の前には耳まで赤くなったハレルヤの顔。
それに俺はそっと口付けた。
「・・・ニール。俺、もう本物の星空なんて見れなくってもいい・・・。
だってよ・・・またこうやって見せてくれるんだろ・・・?」
「ああ。いつでも二人一緒に星を見よう・・・。
いつかは本物もプレゼントするよ・・・」
満点の星空に囲まれて、今やっと俺の思いが届いたことに感謝した。