むかしむかし
「・・・今頃兄さん、うまくやれてるかなぁ」
ぽつりと呟くと、俺の膝の上で本を呼んでいたアレルヤが、
なにが?と舌足らずな声で聞いてくる。
「いや兄さんがまたさ・・・、ハレルヤに告るって張り切ってたから」
「そっかぁ・・・。うん、でも大丈夫だと思うよ。
ハレルヤはニールのこと大好きだから・・・」
「・・・なら、いいな。
なぁアレルヤ・・・、俺もアレルヤのこと今でも好きなんだぜ・・・」
「・・・うん。その気持ちはとても嬉しいよ。・・・でも」
「体のこと気にしてる?・・・俺はべつにこのままでも気にしない。
・・・でもそれは俺の勝手な我侭だもんな・・・」
「ごめんねライル・・・。僕は、叶うならちゃんとした形で君に応えたい・・・」
「アレルヤがそう思ってくれてるの嬉しいよ・・・」
そっと抱きしめて髪に口付ける。
「アレルヤ・・・。俺は絶対にアレルヤとハレルヤを治してみせるって約束する。
だからさ、その時はもう一度好きだって言ってもいいか?」
「治ったら・・・ね」
くすくすと寂しげに微笑むアレルヤを、
兄さんたちが戻ってくるまで俺はずっと抱きしめていた・・・・・・。