藤巻だ、坊主。
「わっ!どうしたのっ??」
あまりに人間身染みた反応に、少しとまどった。
―――――――こいつも、あいつらと同じなのかもしれない。
だけど、この手から伝わるぬくもりは自分とおなじだった。
そんな考えはどうでもいい、もしかしたらこいつは俺と同じ人間かも知れない。
そう思った瞬間、安心したのか一気に体の力が抜けていった。
ドサッ
「いっ・・・だ、誰?・・・・・・大丈夫?」
どう考えても小柄な少年に自分の体重は支えられるはずもなく、一緒に床に倒れてしまった。
(どうしたんだろう・・・)
心配した少年は、しばらくそこから動かないことにした。
この少年と出会うことができたことは彼にとって最大の幸運であり、同時につらく悲しい物語を歩むことに等しかった。