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ハイドロゲン
ハイドロゲン
novelistID. 3680
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米英普英詰め合わせ

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目を瞑った先にあった瞼の上、丁度眼球の淵をなぞるようにして涙が伝った。
落ち着かないといけない。
耳元に目覚まし時計が不適応な鼓動を続けている。生暖かな小さな吐息が、心臓を押し潰して跳ね上がるみたいな手法で下界に出てはみるが、枕に顔を埋めているから却って苦しい。

どこにも行くなとよく思うのだ。
それが幼児の泣き言と全く同一であるとは、最近気付けた。随分と遅い自覚だ。

くるおしみ、歎き傷み、世間は俺に いつも不在だ。



大した意味もない感情を寵愛しているばかりに、停滞を繰り返している。
近頃は曇りも少なくなった。晴れ晴れしいとやはり、僅かながらだけれど語り口も滑らかになる気がする。衰退していた食欲も、今になれば腹の音を聞くことすら造作ないのは些か可笑しな話だ。やはり俺は腐っても人間だ。
最近アルフレッドがオムライスを作れるようになった。兄として喜ばしくもあり、寂しくもある。

くるしさは持続している。愛しさに似たこの歯痒い衝動をくるしさと呼ぶのは、何故だろう。いかんせん恥ずかしい件になった。今日はこれで