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マヨネーズを買いに行く時は帰るまで気を抜くな。

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うちの上司もこの人を見習って少しは人を労ってほしいものだ、と山崎が思っていると、視界の右端に何か糸のようなものが見えた。
なんだろう、と思いふと顔を右に向けると、今度はぐいっと後ろに引っ張られて一気に路地裏へと引き摺られてしまう。
それは銀時に助けを求める暇もないくらいの早さだった。
背中に何かが当たりようやく動きが止まる。
何が起きたのか分からない山崎は、急に変わってしまった景色を呆然と眺めることしか出来なかった。
「退殿は、あんな死んだ魚の目をしたような男が好みでござったか」
すぐ背後から聞こえるゆっくりとした独特の言い回しに、山崎の体に戦慄が走った。
忘れたくても忘れられるはずがない。
記憶の中で、背中に担いだ三味線に仕込んだ刀を抜く姿が蘇る。
鬼兵隊の中心人物の一人である河上万斉。
因縁の相手がそこにいた。
「貴様!」
山崎はとっさに離れようと試みたが、既に彼の弦に捕われているため身動きが取れない。
「仕事で忙しいにもかかわらず、合間を縫って退殿に会いにきてみれば他の男と浮気中。某は悲しいでござるよ」
「いや、言ってる意味分からないんだけど」
万斉の言っていることは根本的なところからずれている。
山崎は思わず頬が引き攣ってしまった。
伊東の反乱で彼に刺されたのがきっかけで妙な縁が出来てしまったらしく、彼は時間があればこうして山崎にストーカー行為をしでかしてくれるのだ。
命の危険とはまた別の方向で危険に晒されてしまう山崎だった。