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マヨネーズを買いに行く時は帰るまで気を抜くな。

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さて、今回はどうやって逃げるべきか。
この窮地に山崎はありとあらゆる逃走パターンを脳内でシュミレーションするが、これというものが見つからない。
「それではしばしの逢瀬、楽しむでござるよ」
万斉はそう言うなり、山崎の唇を奪おうと顔を寄せてくる。
「いや、楽しみたくないから!」
山崎は必死に背を逸らして万斉から逃れようとするが、それもすぐに限界が来てしまう。
これまでか……、と思ったその時、二人の間にマヨネーズが飛んできた。
「おいおい、急にジミーがいなくなったからどうしたかと思って探してみりゃあ……」
そこにはマヨネーズ片手に歩み寄ってくる銀時の姿が。
通りから差す光のせいで、彼の背中からは後光が射しているように山崎には見えていた。
「旦那!」
救いの神の登場に、山崎の声は弾む。
それとは対照的に万斉は舌打ちをしていた。
「ジミー君、なんで君こんなのと知り合いなわけ?」
「別に知り合いじゃなですって!」
「それに、そんな縛られるような仲だとは……」
「違う!」
間髪入れず山崎はツッコミを入れる。
完全に勘違いされていることに、山崎は泣きたくなってしまった。
「勝手にコイツが引き摺り込んだんですよ。だから助けてください!」
誤解を解くべく訴えるが、そうはさせまいと万斉に抱き寄せれられてしまう。
「無粋な邪魔はしないでもらおうか。退殿とは体の深くまで刺し込んで血を滴らせる程の仲なのでござるよ」
確かに言ってることは間違ってはいない。
だが聞きようによっては全く違う意味に取られても不思議はない。
万斉の独特の言い回しが余計に卑猥さを醸し出していた。
「やめてくんない? なんかそれすげぇ誤解招く表現なんだけど!」
「嘘は言ってはおらぬ」
「いや、確かにアンタには刺されたけどさ!」
この場面でのこの山崎のツッコミは火に油を注ぐだけとなる。
「ちょ、ジミー、それマジで?」
「旦那まで何変に勘違いしてるんですか! 過去に剣で刺されたんですよ。ただそれだけです!」
「で、なんで今もそうやって懐かれてんの?」
「勝手につきまとってくるんですよ」
「ああ、おたくん所のゴリラみたいに?」
「……」
尊敬する局長への侮辱なのだが、その通り過ぎて言い返せないのが悲しい。
今日もいつもの場所でストーカー行為に励む局長に、山崎は心の中で思いっきり悪態を吐いていた。