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『テスト投稿』もしも~ 大坂夏の陣

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 二人の友は例え兼続が敵になってしまっても、兼続の心を信じこうして友として在り続けていてくれたのだ。
 その気持ちを受け取り、兼続は再び涙が零れそうになった。
「ああ。共に義の為に戦おう、幸村」
 誤魔化す為に、幸村の胸を叩いた。
「熱いねぇ」
 更なる第三者の声に、三人が振り向いた。
「慶次!」
「慶次殿!」
 振り向いた先にいたのは、得物を持って笑っている前田慶次だった。
「おぅっ。三成よ、城門内は粗方片付けたぜ」
 三人とも呆然としており、三成は目を瞬かせながら一つ頷く。
「そ、そうか。……しかし、何時からいたのだ?」
 三成の動揺した声色に兼続は眉を寄せた。
「何だ、三成も知らなかったのか?」
 兼続の言葉に、三成は不可解と表情を滲ませている。
「ああ。慶次には何も報せてなどいないからな」
 どういうことだと三人の視線に責められ、慶次は苦笑いを浮かべた。
「あんたらが戦うと聞いたから、ちょっと覗いてみたんだよ。そうしたら徳川側だった兼続は、敵の三成や幸村と楽しそうに話しているのが見えたんで、声をかけたって訳さ」
「全くお前は、本当に神出鬼没というか、豪放爛漫というか」
 半ば呆れたように笑う三成だったが、慶次の得物を見てふと真顔に戻った。
「それで、慶次はどうするのだ?」
「俺は俺のやりたいようにするだけさ」
「全く……好きにしろ」
 言葉とは裏腹に、顔には笑みを浮かべて慶次の胸を扇子で軽く叩いた。
「慶次殿、共に戦えるんですね」
「天下分け目って戦いだ。そんな戦に参戦しないってのは面白くないだろ?」
「確かに」
 幸村と慶次が笑いながら語り合っている。
 少し離れたところで兼続はただ黙って見ていた。
 そんな兼続に気がついた慶次は、ゆっくりと彼に近づいた。
「慶次。私を笑うか?」
 目の前の男はただ笑っている。
「何故だい?」
 全てを真っ直ぐに見つめる目が、今は地面に落ちていた。
 この男らしくない。
 慶次には今回のことが、兼続にとって拭いきれない罪と思っている、そう思った。
「……あれほど義を説きながら、私は三成達との関係を不義で汚した。そんな私をお前は笑うだろうか」
 何だ、そんなことかと、慶次は軽く笑って見せた。
「俺はアンタがアンタだからこそ、ここにいるんだぜ。俺はしたいまま生きてるだけだ」
 何も変わってはいない。
 慶次はそう言った。