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『テスト投稿』もしも~ 大坂夏の陣

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「関ヶ原以降行方不明だった石田三成と、勇猛果敢に敵陣へと突撃し大筒を奪って破壊した真田幸村。それに天下無双の傾奇者の前田慶次が加わったのだ。今のお前達は千人……いや、万人の兵と変わらない存在だ。お前達が目の前に現れただけで、徳川の兵は一目散に逃げ出すだろう」
「人を化け物のように言うな」
 嫌そうな顔を隠しもせずに、三成は笑う兼続を睨んだ。
「それでこそ石田三成だぜ」
 その兼続の隣では慶次まで笑っていた。
「慶次、貴様まで……」
 後ろからは三成の部隊からも幸村の部隊からも笑いが漏れていた。
 幸村は力なく笑っているが、三成はますます不機嫌になっていった。
「それほどまでに私達の勢いが徳川より勝っているということだ」
 兼続の言葉を受け、三成は憮然としたまま前方を見つめる。
 あるのは徳川本陣のみ。
 自然と気が引き締まった。
「では、行くぞ」
「おうっ」
 鬨の声が上がり、四人の将と一軍は一斉に真田丸から飛び出して行った。


 流石に本陣というだけあり、堅い守りだった。
 ほぼ一進一退の攻防だったが、隙をついて突撃した真田幸村と前田慶次の前に守備隊は総崩れとなり、本陣の扉が開かれた。
 外で守っていても仕方なしと、藤堂高虎や細川忠興らが本陣内へと入り徳川家康を守る。
 その中へ一頭の人馬が突撃して来た。
 赤い鎧に十文字の槍。
 真田幸村だった。
「家康! 覚悟!」
「ぬぅっ!」
 互いの得物が激しくぶつかり合う。
 そして、負けたのは家康の方だった。
 よろめいた家康を、周りの兵士達が支える。
「義の意地を見て頂こう」
 十文字の槍の切っ先は、確実に家康の喉元に突き付けられている。
「真田……恐るべし」
 家康は全身から冷や汗が流れ落ちるのを感じた。
 突き刺さる気迫は、己の命を縮めるものだと恐怖すら感じるものだった。
「殿っ!」
 武将達が駆けつけ、家康の元に集まった。
「ここにいるのは幸村だけじゃない」
「っ……」
 聞こえた声に振り向けば、そこには関ヶ原の戦い以降姿を見なかった石田三成の姿があった。
「残念だったな、家康。俺は生きている」
 三成の姿をじっと見たまま、家康は黙っている。
 しかし、顔色は青褪めていた。
 対する三成は笑みすら浮かべている。
 実に対照的な二人であり、そしてそれが今の二人の立場と勢いを的確に表していた。