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『テスト投稿』もしも~ 大坂夏の陣

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 幸村が素直に受け取ると、長宗我部は疲労の残る顔で笑った。
「何、真田殿の見事な武勇により正面の敵も一掃され、ここ正面は今の勢いからしたら我らの方が有利。この報せが届けば、直に大野殿達も来られる。石田殿も直江殿も貴殿を待っておられるだろう」
 長宗我部の申し出は有難く、幸村は頭を下げた。
「では、ここは暫しお任せ致します」
 ここにいるのは長宗我部だけではない。
 今まで共に戦ってきた者達がいる。
 劣勢の中、必死になって戦い続けてきたのだ。
 幸村は彼らの強さを信じることにした。
 そんな時、一人の伝令が駆け込んで来た。
 自然と緊張感が走る。
「申し上げます! 宮本様、稲姫を討ち取りました! 東側に進入した徳川軍は壊滅にございます」
 これで大阪城付近の敵はほぼ一掃されたことになる。
 兵士達は再び大きな歓声を上げ、一気に興奮が高まった。
「よしっ! これで何の憂いもない! さぁ、真田殿!」
 幸村は愛用の槍を手に、愛馬に乗る。
「残る者達は私のいない間は長宗我部殿の指示を仰げ」
 後ろで控えている共に戦った部下達に命じた。
「どうかご無事で」
 数少ない部隊で真田丸へと向かう主を見つめ、残った部下達は必死になって祈った。




 戦が始まってどれほど経っただろうか。
 真田丸にいる兼続は青空が続く変わらない空を見つめ、外での喧騒の流れを掴もうとしていた。
「殿! 殿!」
 兵士が一人駆け込んできたのを、兼続は静かに見つめる。
「伊達政宗公、討死!」
 これには流石の兼続も驚きを隠せなかった。
「何だとっ? あの山犬が討たれるとは……。相手は幸村か?」
 兵士は首を横に振る。
「戦場は混乱しており、未だ情報を掴めませぬ。ただ伊達軍は毛利軍によって壊滅状態となり、散り散りに撤退しております」
「殿ー!」
 重なるようにして別の兵士が入ってきた。
「いよいよ豊臣の兵が来たか?」
「そ、それがっ……」
 兵士は真っ青な顔をしている。
 兼続は怪訝そうに見つめた。
「何だ?」
「石、石田っ……」
「はっきりと言うんだ」
 兵士は頭を地面に擦りつけるようにして叫んだ。
「石田三成がっ、軍を率いてこちらに向かっておりますっ!」
 一瞬、何を聞いたのか分からなかった。
 しかし、兵士は確かにある人物の名を告げた。