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嘘と真実と願いと

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ふむふむと頷く隼人に笑いがこぼれる。隼人らしい。瞬は未だに本に傾倒しており、最近はときおりクローバータウンの本屋にこっそり行っているらしい。あと、何故か美希に会っているらしい。その辺はせつなにはよくわからないが。デリートホールでの一件以来、瞬は何かと美希を気にかけていた。彼もいろいろと変わったようだ。
それに比べると隼人はあまり変わりないように見える。以前から好奇心旺盛でドーナッツを好んだり、旅行にいったり(沖縄に旅行雑誌を持って行っていたと瞬から聞いて、過去のことながら呆れてしまった)していたし、昔からせつなたちを仲間と言って、よく笑ったり泣いたり怒ったりをしていた。
隼人は、純粋そのものなのだろう。だからこそ、彼はメビウスに忠誠を誓っていた。何も知らない純粋さが時には過ちを生む。しかし本人はそれに気付かないものだ。
準備を一段落ついて、瞬にメールを入れる。すぐに返信が帰ってきたが、どうやらクローバータウンにいるので少し遅くなるそうだ。準備を早めにしていたので夕食にはまだ時間がある。せつなはキッチンを片づけ、コロッケをあとはあげるだけの状態に整えて瞬の帰りを待つことにした。
「…」
隼人が何やら静かだった。片付け終えてから手を拭きながら様子を見に行くと、何故か隼人は、号泣していた。
「な、ど、どうしたの!?悪いものでも食べた!?」
慌ててティッシュを渡すせつなに首を横に振る隼人。その手で画面を指差す。
せつなが持ってきたDVDの映画が画面に映っている。そこには愛する人の幸せを願って、一人で生きていくことを決めた男性の物語のラストシーンが流れていた。せつながクローバータウンで手に入れた映画の中で特に気に入っている作品だった。しかし…。
「隼人、これを見て泣いたの?」
眼を真っ赤にして大きな体を丸めながらボロボロと隼人は涙を流す。どうやら止められなくなってしまったようだ。頷きながらも鼻をかむ。そろそろ鼻も赤くなってきている。
「嘘だと、わかっで、いるんだが、どめられないんだ」
ぐずぐずと鼻を鳴らす。せつなは困ったように微笑むと、隼人の手に自分の手を重ねた。
作品名:嘘と真実と願いと 作家名:こまつ