ルノ・ラダ ~白黒~
「・・・ラダ・・・。」
そして目を開けた。
やはりラダがニッコリ微笑んでそこにいた。
「起きてたんですか?先程から見ていたらずっと目を瞑って動かないから眠っているのかなって思ってました。でもため息ついていたようでしたから、起きておられるのかなとも思って抱きついてみました。」
ラダはあらためてルノの足の間に体をいれ、ギュウと抱きついてきた。
「ラダ・・・。」
「・・・?どうかされたんですか?」
「僕、ラダの事、好きだよ。」
その瞬間ラダが赤くなった。
顔だけではなく、白い首や肩まで赤くなる。
「どっどうしたんですか!?急に!?」
「今ね、ずっとラダの事考えてたんだ。・・・ごめんね・・・?僕、ちょっとぼんやりしすぎてるよね・・・?きっと知らないうちにラダの事、いっぱい傷つけているんじゃないかな・・・。」
「・・・。ルノさん?ルノさんのそういった所も私は好きなんですよ。だからルノさんは気にしないで?ずっと今まで通りでいて欲しいです。変に変わろうなんてしないで下さい。今のルノさんを、私は好きになって、今もこれからもずっと好きなんですから。」
「ラダ・・・。」
「でも私の事を考えていてくれて、しかも好きだと言ってくれたのは、本当に、本当に嬉しいです。」
ニッコリと笑ってラダはルノの首元に顔をくっつけた。
「ちょ、ラダ?そこはくすぐったいよ。」
「うふ。くすぐったがりですね。でも残念だな。どうせなら感じて欲しいんですけどね。」
そう言うとルノの耳裏をぺロッと舐めてから顔を離した。
「ひゃっ。・・・もう。・・・今度仕返しするからね。」
「仕返し、ですか?」
「うん。部屋で2人きりのときにね。」
ルノはニッコリとして囁くように言った。
ラダは赤くなりながらルノの顔に自分の顔を近づけた。
「その時が待ち遠しいです・・・。はやくして欲しい・・・。」
今度はルノが赤くなる。
やっぱりこの子、色気、というより天性の魔性のものが備わっているんじゃないかな。
思わずラダを引き剥がしながらルノはそう思った。
作品名:ルノ・ラダ ~白黒~ 作家名:かなみ