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言葉の魔法

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 あれ? 何か時間が止まったような…。


「…今、何と言った?」

 セフィロスさんが急に俺の肩を掴んできた。

「あ、え、あの?」

 俺、何か変なこと言ったっけ?

「もう一度、言ってくれ」
「あ、あの、俺…」

 記憶を巻き戻してみる。
 好きだって言ったなぁ…。
 何がって聞かれて…。

「あーっ!」

 俺は思わず声を上げてしまった。
 お、俺、とんでもないこと口にしちゃったよ!

「クラウド?」
「ご、ごめんなさい! ご迷惑ですよね? 俺なんかにこんなこと言われて。忘れて下さいっ!」

 今すぐこの場から逃げたしたいよ〜!
 重傷じゃなかったら、走って逃げられるのに!

「…では、本当に俺のことを…?」

 セフィロスさんは俺の顔をじっと見つめてきた。
 こんなに至近距離で見られたら、死んじゃうよ〜。

「クラウド、何か言ってくれなければ、わからない。俺の聞き違いじゃなければ…」

 どうしよう、どうしよう!
 ここで何も言わなかったら、俺、本当に嫌われちゃうかな…。
 そんなの嫌だ。
 俺は意を決して、セフィロスさんの顔を見た。
 一言言ったら死んじゃいそうなぐらいに、鼓動が激しくなってる。
 でも、このまま死んじゃうよりはいい。

「好きです、セフィロスさんのこと」

 セフィロスさんは少し目を丸くしたが、何も言ってくれない。
 うわ〜、この静けさが辛いよ。

「…よかった…、安心した」

 セフィロスさんは、大きく息を吐き出した。
 よかった…って?

「てっきり、嫌われてるとばかり思ってた」
「え? それは俺の方なんですけど…」
「俺がクラウドを嫌いになるわけがない」
「は?」

 かなりすっとぼけた声だったと自分でもわかった。
 それほど、俺にとっては理解しがたい言葉だったんだ。

「だから、クラウドのことを嫌いになるわけがない、と言っている」

 嫌いにならないってことは今は嫌いじゃないってことなのかな? これから先も嫌いにならないってこと?
 じゃあ、俺は安心していいのかな?
 嫌われないのはいいことなんだけど、それは別に俺が特別ってことではないんだよな。
 あーっ!
 わからないことが多すぎるよ!

「クラウド」
「は、はい」

 セフィロスさんは軽く笑うと、俺の頭を撫でてきた。

「俺は、クラウドを初めて見たときから、好きだったんだ」
作品名:言葉の魔法 作家名:藤沢 尊