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メルヘンクエスト―序章

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 「たっだいまー!」
 「お帰りギンターン。」
 広間の扉を開けるなり飛びついたドロシーに、スノウから棘のある言葉が飛んだ。
 「ドロシー、ギンタは疲れてるんだから離れなよ!ギンタ大丈夫?」
 彼女はこんなに黒かっただろうか、ギンタは思わずスノウと会ったばかりの頃を思い返していた。
 「手に持ってる物は何なんスか?」
 「お、よくぞ聞いてくれたなジャック!」
 ギンタはニッと笑い、古ぼけた本をローテーブルの上に置いた。
 「今日町で貰ったんだ~、何か特別な本らしいぜ。」
 「へ~、随分と古い本だね。」
 「・・・・・。」
 ドロシーが本を見て考え込んでいると、広間の扉が開いてナナシ達が入って来た。
 「なんや、ギンタ帰って来とったんか。」
 「問題起こしてねぇだろうなぁ。」
 「ム、失礼だぞオッサン!そんな事言うと見せてやらないからな!」
 「ギンタは何の話をしているんだ?」
 入って来たばかりで状況が飲み込めていないアルヴィスがスノウに訊ねた。
 「何かね、街で特別な本を貰ったんだって。」
 「本?」
 「そう、古くて分厚い本。表紙にタイトルが書いてないんだよ、不思議だよね。」
 「へぇ・・・。ギンタ、その本少し見せてみろ。」
 「お?アルヴィスは興味持ったのか?サッスガ読書家!」
 本とアルヴィスの間にいたジャックが脇に下がり、生まれた隙間からアルヴィスは本を見た。