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メルヘンクエスト―1章

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 「ちょっとドロシー、私達真面目に聞いてるんだよ?」

 「アタシだって真面目に話してるのよ・・?」

 馬鹿にされたと勘違いしたスノウに、ドロシーがイライラと答える。

 「あー、話が進まねぇだろ。」

 頬を膨らますスノウを座らせ、アランがドロシーに続きを促した。

 「掻い摘んで説明すると、ギンタンが持って来たのは“魔本”なのよ。」

 「魔本?カルデアが作ったのか?」

 「う・・・・まぁ、そうね。」

 「そんで?その本はどないなヤツなん?それによって俺らのコレからの行動が決まるんとちゃうん?」

 異常事態だと悟っているナナシの久方ぶりに見せる真剣な一面。

 「ええ・・魔本は表紙を開いた人の魔力を使って仕込まれた術を発動するの。発動すると、本の近くにいた人達の魂とか精神って言われる部分を吸い込むようになってる。」

 「・・・それじゃあ、オイラ達今幽霊なんスか!?」

 「近い物よ。今頃アタシ達の身体はレギンレイヴの広間に転がってると思う。」

 騒ぎを聞きつけた使用人さん達はさぞかしビックリする事だろうな、話を聞きながらギ
ンタはそう思っていた。

 「本に吸い込まれた魂は、ある条件をクリアしないと身体に戻る事が出来ない様になってるの・・・。」
 「・・・何でカルデアはそんな危ねぇモンを作ったんだ?」

 敵への罠の為なのか?

 ドロシーの説明を聞く限りだと、魔本はとても危険な存在だ。

 魂のギンタ達は元気でも、レギンレイヴで倒れている身体の方は?

 2~3日で身体に戻れれば良いが、もし1か月近く戻れなかったら?

 体は衰弱して、死んでしまう。

 その事を全員が理解したのだろう、ドロシーの言葉を待つ皆の顔は真剣で、不安が滲み出ていた。

 意を決した様に、ドロシーが口を開ける。


 「・・・・・元々は子供向けのオモチャだったのよ。」