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あなたが憶えているすべてを僕はしらない

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[サイケデリック]

その写真を見つけたのはたまたまだった。そこには俺が写っていた。学生服を着て、楽しそうに平和島に寄りかかるそれは間違いなく俺だった。見間違えようもない。胸の奥らへんがばくばくするのを感じた。思わずまわりをきょろきょろ見回す。平和島はソファに座ってコーヒーを飲みながらセルティとお話をしている。たぶん俺のことは見ていない。この写真の俺が「イザヤ」だ。俺は確信を持ってその写真を見下ろした。「イザヤ」は本当に、本当にしあわせそうに平和島に寄り添っていた。ちょっと性格が悪そうにも見えたけれど、今ここにいることがしあわせでたまらないという顔をしていた。平和島も、とても嫌そうにしていたけれど、「イザヤ」のことは嫌いではないんじゃないかと思わせるような顔をしていた。少なくとも俺は平和島のこんな顔は見たことがない。なんとなく口惜しいものを感じながら何気なく写真を裏返してみた。するとそこには驚くべきことが書かれていた。俺はしばらくその字を見たまま、体を動かすことができなかった。

どれくらいの時間が経っただろう。シンラが奥の部屋から顔を出して「準備できたよー」と言った。俺はぱっと顔をあげて、1度平和島のほうを見た。そして「うん」と笑ってシンラの待つ手術室へと走っていった。