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加賀屋 藍(※撤退予定)
加賀屋 藍(※撤退予定)
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素直じゃない貴方の隣

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喪われた誰かへと向ける、罪悪感に、後悔に。
胸の熱が込み上げて、じんわりと体の芯を揺るがす。思わず目を覆った。
先程まで流せなかった涙が、眦から熱く滑り落ちて来る。
「…うっ……く……、あぁぁっっ!」
俺はみっともなく、布団に包まってわんわん泣いた。
骸の言う通り、俺は確かに幼く弱かったのだ。
『ボンゴレをぶっ壊してやる』という、自らの意志を貫くことが出来ないほどに。
本当に重要だったのは、こうやって無理矢理ボスとしての仮面を被ることだっただろうか。マフィアとしての優等生の解答を出すことだっただろうか。
俺は泣いた。感情に振り回されていたあの頃のように、泣き疲れて眠るまでずっと泣いた。




後から考えてみても、それは隼人や山本、ランボのように優しくなく、ヒバリさんやリボーンほど立場を割りきって俺に接するのでもない……つまり骸だけが言えた言葉だったのだと思う。

マフィアを憎み、俺を必要としていない。それどころか、いない方がいいと思っている。
けれど、俺が必要としていた場所に骸はいた。
完全な片想いだな、と俺は笑った。
情けない、けれど苦くはない笑みだった。

そして、『骸が欲しい』と思った。
どうしても、骸が欲しい。

骸はとにかく複雑で、綱吉の手に負えるような素直な人間じゃない。
冷徹、残酷なのは間違いないし、幼い頃の体験からマフィアに対する憎しみを滾らせていて、敵と見なしたものに容赦はない。
たくさんの罪を抱えているというのに、彼には罪悪感も後悔も、欠片もないようだ。
情の無い人間のように思えるほど。
しかし、「ただ利用しているだけ」だと、内側に入れた相手に対してさえ分かりにくくしようとするけれど、確かに彼は優しさを持っていた。
甘やかすのではない、彼なりの優しさ。
それが綱吉に向けられたことはなくても、彼から離れない人たちを見れば明らかだ。
綱吉もまた、そこに惹かれてしまったのかもしれない。

自惚れでなく、俺を求めて優しさをくれる人はたくさんいたけれど、俺が欲しい情は俺を必要としてない、それどころか憎んでさえいる骸からのものだった。
人の気持ちとは、何て理不尽で儘ならないものなんだろう。