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巡りあえた奇跡と喜びに感謝します

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その場は譜歌を歌う事でやり過ごし、複製品と仲間は急いでセフィロトへ向かいました。
導師たちのもとへ辿り着くと、そこでは導師が<惑星預言>を詠まされていました。
<預言>にしても<惑星預言>にしても、預言を詠む時には第七音素を消費します。
特に<惑星預言>は多く第七音素を消費するので、複製品であった導師は力尽きてしまいます。
慌てて詠ませる事を止めさせようとしましたが、導師は詠み続けました。

―――…聖なる焔の光は穢れし気の浄化を求め、キムラスカの音機関都市へ向かう。
そこで咎とされた力を用い、救いの術を見いだすだろう……

そこまで預言を詠み終えると導師は、“数あるあなたの未来の一つの選択肢”だと複製品に告げ、少女の身体の中に蓄えられていた障気を受け取り、導師守護役の少女に笑いかけ、そして音素乖離を起こして亡骸も残さずこの世から去りました。



復活してしまった障気をどうにかする為にも、複製品と仲間達は導師が詠んでくれた<預言>を活用するべく、音機関都市へと向かいました。
今後、<預言>をどうしていくのか、その事を会議へ持ち込むためにも障気を消さねばならない、そう判断したのです。

音機関研究所で、障気は超振動と力を増幅させるもの、即ち<ローレライの剣>とそして大量の
第七音素…一万人分の第七音譜術士の命が必要だと教えられ、余りの現実に複製品は愕然としました。

障気中和の方法について思惑が巡る中で、複製品が造り出されている廃墟郡の存在を知り、そこへ向かいます。
そこでは造りだされた複製品たちが大勢居ました。
そして、突然浮上した巨大な物体を複製品たちは新生ホドと呼んでいました。
新生ホド―かつて擬似超振動によって消滅したホドの複製品のことでした。それがヴァンが計画していたレプリカ大地だったのです。
複製品たちは一斉に何処か一点を目指して歩き出します。
そろえて呟く言葉は<レムの塔>。

先の見えない漠然とした問題に仲間達はやれる事からやっていこうと決断します。



複製品がバチカルへ居た時、被験者から回線が繋がれて来ました。
そこで複製品は障気の中和方法について被験者へと話します。
被験者は何か考える素振りを見せた後、何処かへ行ってしまいました。

その後、プラネットストームの停止に両国が合意し、会議が行えると報告が入りました。
会議に妨害が無いようにその場に居合わせる為にユリアシティへ向けて出発しようとした時、一人の研究者がやってきて言うのです。

障気中和は被験者に任せたのか、と。

どういう事だと困惑する仲間たちに、研究者は説明をします。

障気中和に複製品一万人分の命と、超振動を起こす人間を犠牲にすれば出来るのだと。

無茶な事は止めさせようと、彼らはレムの塔へ向かいます。
レムの塔には複製品たちが続々と集まっていると情報を得て、被験者もそこに向かっているだろうと踏んだのです。
案の定、被験者は複製品たちへ自分と消えると言う事を条件付きで提案していました。
しかし複製品たちはその提案を拒否します。自分たちには何れ与えてもらう居場所があるから、と。
しかしその期待は砕かれ、複製品たちは己らの屍で居場所を築き上げる事を決めて、被験者の提案を呑みました。

被験者は障気中和についての方法と、複製品たちの居場所を確保する旨を書いた手紙を会議中の
両国陛下たちへ託し、セフィロトへ宝珠を探しに向かいました。

遅れて到着した複製品と仲間たちは、被験者を止めてくれと叫びます。
しかし国の上に立つ者たちは複雑な表情を浮かべるだけで答えてくれません。
その中で、答えを求められた聡明な思考の持ち主である仲間の一人が言いました。

その言葉に激情を見せたのは、複製品の幼馴染である金髪の青年でした。
仲間であり王女である少女も共に死なないで欲しいと言います。
唯一、自らの死を望もうとする複製品を引き止めなかったのは、彼を外の世界へ連れ出すきっかけを
作った少女でした。

セフィロトから戻ってきた被験者を止めようと、複製品は叫びます。

俺が代わりに障気を中和するから。
お前がローレライを解放してくれ。



―――――でも、死にたくはない。



三国同盟締結、プラネットストーム停止、エルドラントへの共同進軍について合意に達し、残るは障気中和についての複製品の決心を待つのみとなっていた、上に立つ者たちへゆっくりと自身の意を告げました。



再びレムの塔へ行くと、そこにはまだ被験者は居ませんでした。
数分遅れで到着した被験者は、自分を引き止める声を一切無視して、空へローレライの剣を掲げました。

そこへ複製品は飛びついて剣を奪い取り、超振動を発動させます。

死にたくない、死にたくない、死にたくない…!!

震える腕を叱咤しながら、死を恐怖しながら彼は超振動を発動させ続けていました。

しかし障気が中和される前に力尽きて、膝を付いてしまいます。
集まりかけていた音素が何故か拡散してしまうのです。
押さえ込まれていた被験者ははっとして複製品を見て叫びました。

ローレライの宝珠は複製品が受け取り損ねていたのではなく、彼の身体の中に混じり込み、その事に
複製品自身が気付いていなかったのです。

被験者は拘束されていた腕を振り払い、複製品の元へ駆け寄ります。

そしてローレライの剣へと己の手も添えて超振動を発動させました。





障気は無事中和する事が出来ました。
死ぬと思われていた複製品も生きていて、宝珠も手に入り、何もかもが良い事態へ転がっていたのかと
思われていました。
しかし嫌な予感が複製品の胸の内を渦巻いていました。

仲間の提案で、検査を受けるためにベルケンドへ向かいました。

そこで複製品は、医師から宣告されます。

音素が乖離現象を起こしています。そう遠く無い未来に細胞崩壊を起こして死ぬでしょう。

複製品はその事実を誰にも話さないで居るつもりでしたが、聡明な彼と自分を見ててくれると言った
少女には知られてしまいました。

惨酷な現実と共に、最終決戦の日が刻一刻と近付いてきます。

最終決戦の前夜、複製品と少女は月夜の海を二人で眺めていました。
その時の複製品の表情は、静かな海のように穏やかで、幸せそうでした。




栄光の大地エルドラントへ乗り込み、そこで複製品はトラップに嵌ってしまい、仲間たちと逸れてしまいます。
トラップにより落とされた先には、被験者が居ました。
そこで彼らは、存在をかけての勝負をします。
結果、複製品が勝ち、被験者はどちらか一方がその場に残らねば開かない扉を開ける役として、複製品を追い立てます。
ローレライの鍵と共に、ヴァンを倒す事を複製品へ託します。
自分はもう、死が近いのだ…。そのことに思いを廻らせながら。

その時、扉が閉まりかけた寸前、複製品が叫びました。

約束しろ、必ず生きて帰る事を。

被験者は約束すると叫び返し、現れた敵と対峙しながら決然と言い放ちました。



お前たちの相手はこのアッシュ―――いや……、ルーク・フォン・ファブレだ。



着々と歩を進め、ヴァンが居る場所へ向かっている複製品へ、突然ある光景が脳裏に映し出されました。